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CFOメッセージ

健全な財務体質を維持しながら、
成長に向けた資本投下を加速し、
企業価値の持続的向上を実現します。

常務取締役 CFO
財務本部マネージングディレクター
北 義昭

すかいらーくグループは、年間延べ約3.5億人のお客様に「食」を通じた豊かな価値を提供しております。
2025年4月にCFOに就任して以来、私はこれまでに培ってきた企業経営やコーポレートファイナンスの知見を最大限に活かし、当社の強固なビジネスモデルを財務戦略、投資戦略から支え、さらなる成長軌道へいかに導くかという命題に全力を注いでまいりました。本統合報告書において、2025年12月期の業績の振り返りとともに、当社が目指す資本政策の基本方針、成長投資の加速、財務基盤の安定性を中心にご説明いたします。

2025年12月期業績評価と中期事業計画の前倒し実現へ向けて

2025年12月期の実績は、売上高は前年比14.1%増の4,578億円、営業利益は同23.9%増の300億円、当期利益は同19.9%増の167億円となり、既存店の力強い成長をベースに、年初の予想を大幅に上回る非常に良好な結果となりました。

この好業績を牽引した最大の要因は、「店舗中心経営」の推進による現場力の向上です。従来の本部主導によるコスト削減重視の経営から、店舗のマネジャーが経営者として自律的に労働時間への投資を積極的に進め、お客様満足度と利益の最大化を目指す体制へと移行しました。具体的な成果として、クルー(パート・アルバイト)の退職者数は前年比で21%減少し、サービス品質が向上したことで、お客様からのお褒めの連絡件数は前年比26%増という高い伸びとともに売上高の向上につながりました。

売上高・営業利益の推移(億円)


2025年12月期は約130億円のインフレによるコスト増がありましたが、この現場力を背景に、週末のピークタイムに労働時間を戦略的に2%追加投入し、しっかりと人員を揃えることで、客席の稼働率が向上し、既存店の売上高が前年比8%増(客数2%増、客単価6%増)と大きく伸長しました。人件費は増加したものの、売上高の伸びがそれを吸収し、人件費率は前年比1%減少しました。また、「原価低減プロジェクト」にも取り組んでおり、33億円のコストを抑制し、結果として営業利益は前年比23.9%増の300億円へと大幅な増益を達成しました。

現在進行中の中期事業計画(2025年〜2027年)は、「店舗中心経営」の深化や戦略的なM&Aの成果が早期に発現したことで、当初の想定を上回る極めて力強いペースで推移しています。2026年12月期の通期ガイダンス(業績予想)におきましては、売上高4,900億円、営業利益335億円という高い目標を設定いたしました。これは、中期事業計画を1年前倒しで目指すものであり、当社の強固な事業基盤と機動的な戦略実行力の結集により十分に実現可能だと考えています。この加速するモメンタムを確実なものとし、中期事業計画の早期完遂のみならず、その先のさらなる飛躍的成長に向けた事業基盤の構築に邁進してまいります。


直近の業績推移と2026年12月期計画

  2024年12月期 2025年12月期 2026年12月期
売上高(億円) 4,011 4,578 4,900
営業利益(億円) 242 300 335

持続的成長を実現するための資本政策とポートフォリオ戦略の深化

当社は自らを「成長フェーズにある企業グループ」であると明確に位置づけています。このフェーズにおいて、私たちは単に資本効率を追求するだけでなく、将来の事業基盤を拡大させるための積極的な投資が不可欠であると考えています。

ROEの追求と資本コストの意識

経営指標としては「ROE」を最重要指標として掲げており、2026年は10%を計画しています。ROE向上へのアプローチとして、私たちは成長投資を通じて利益を最大化させることを重視しています。具体的には、個々の投資プロジェクトのIRR(内部収益率)を厳格に管理し、当社の株主資本コスト(約8%)を安定的に上回るリターンを創出することで、持続的な企業価値の向上を目指します。また、事業活動から創出されたキャッシュフローについても、この将来の成長に向けた事業投資と株主還元をバランスよく配分する方針です。

ROEの推移(%)

最適なアロケーション

2026年におきましては、総額500億円規模の投資計画(M&A含む)を設定しています。既存店の改装、国内新規出店、海外展開、M&A、さらにサプライチェーンを強靭化するSCM・DXへの投資などを軸に、資本コストを意識して最適なアロケーションを継続してまいります。

株主還元とポートフォリオ管理

株主還元については、配当性向30%を基本方針としております。2025年12月期の年間配当金は22.00円(前年比+3.50円)とし、2026年ガイダンスでは26.00円への増配を見込んでいます。また、事業ポートフォリオ管理については、レストラン事業プラットフォーム内での「ブランドポートフォリオの最適化」による安定成長を目指します。「ガスト」などのファミリーダイニングと「しゃぶ葉」など専門性の高いカジュアルダイニングの2軸に加え、「資さんうどん」「しんぱち食堂」のグループ入りにより、低価格・日常食の領域から高付加価値領域までを網羅する強固なポートフォリオを構築しています。

なお、2025年12月期において、当社の1株当たり当期利益(EPS)は73.62円へと向上し、期末時点でPER45.71倍、PBR4.08倍と高い水準にあります。これは、当社の成長性への市場からの強いご期待の表れと受け止めております。

1株当たり当期利益(EPS)の推移( 円)

中期事業計画1年目の進捗

強固なキャッシュ創出力を背景とした成長投資の加速と財務基盤の強化

当社は、2025年12月期に営業キャッシュフロー745億円、フリーキャッシュフロー404億円を計上しました。また、手元流動性の確保および機動的な資金調達を目的に、金融機関からの借入や社債発行を実施し、長期的な金利固定化により金利上昇リスクを適切に管理しています。

これらのキャッシュを原資として、新規出店や店舗リモデル等の設備投資に加え、M&A、海外事業への戦略的な投資等を積極的に推進しています。このような積極投資を継続する一方で、財務健全性を重視した経営を堅持しており、「自己資本比率」36.2%、「ネットD/Eレシオ」0.48倍(前年0.51倍)と健全な水準を維持しております。なお、当社の財務基盤は外部からも高く評価され、2026年4月には日本格付研究所(JCR)が当社の格付をA-の「安定的」から「ポジティブ」へ変更しました。今後も、強固なキャッシュ創出力を背景とした成長投資の加速と財務基盤の強化により、持続的な企業価値向上を実現してまいります。

ネットD/Eレシオの推移(倍)

株価を意識した経営と株主の皆様との価値共有

当社はこれまでも、企業業績と企業価値の持続的な向上と、株主の皆様との価値共有を目的として、取締役(社外取締役を除く)の報酬体系に株価連動型の報酬を組み込んでまいりました。今回、その姿勢をさらに前進させ、経営陣の中長期的な業績向上へのコミットメントをより強固なものとするため、2026年4月に役員を対象とした「譲渡制限付株式報酬制度」を新たに導入いたしました。これにより、経営陣と株主の皆様との価値共有を一層深めてまいります。

すかいらーくの将来性と持続可能な成長に向けて

不確実性の高いマクロ環境の中にあっても、すかいらーくグループは健全な財務体質を維持しながら成長をさらに加速させていきます。持続可能な成長を担保する最大の武器が、「垂直統合サプライチェーン」によるコストイニシアチブです。グローバル調達から製造、物流、調理までを一貫して担う仕組みは、今後想定されるインフレ環境下においても強力な武器となります。

さらに、国内の人口集積地など当社の空白エリアへの新規出店や、台湾・マレーシアなどの海外事業の拡大、そして「資さんうどん」「しんぱち食堂」を加えた多角的なブランド展開により、さらなる成長を追求してまいります。

2026年もインフレによるコスト増を想定していますが、これまで培った原価低減のノウハウと店舗中心経営の深化によって、十分に利益成長へと繋げていける確信を持っています。

すかいらーくグループは、従業員一人ひとりの能力向上を起点とした経営の好循環によって、これからも「食」を通じた「価値ある豊かさの創造」を続けてまいります。ステークホルダーの皆様におかれましては、今後とも変わらぬご支援を賜りますようお願い申し上げます。