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TCFD提言への対応

方針・考え方

近年、世界的規模でエネルギー使用の合理化や地球温暖化対策のための法規制等、気候変動抑制のための動きが強まっています。
すかいらーくグループにおいても、気候変動の移行リスク(地球温暖化対策の環境規制などによって調達やエネルギーコストが上昇するリスク、環境に配慮していない事業活動を通じて来店客が減少するリスク等)と物理的リスク(台風による工場や物流の稼働停止、店舗休業等の急性的リスクや、平均気温の上昇や気象パターンの変化による食材の品質低下や価格高騰等の慢性的リスク)が、グループの業績に影響を及ぼす可能性があることから、気候変動を重要な経営リスクの一つとして位置付けており、TCFD提言の全11項目について以下の通り、対応・開示しております。


当社のTCFD提言への対応状況

TCFD提言の開示推奨項目

ガバナンス 対応状況
1 a) 気候関連のリスク及び機会についての、取締役会による監視体制を説明する。 本ページにて開示済み
2 b) 気候関連のリスク及び機会を評価・管理する上での経営者の役割を説明する。 本ページにて開示済み
戦略 対応状況
3 a) 組織が識別した、短期・中期・長期の気候関連のリスク及び機会を説明する。 本ページにて開示済み
4 b) 気候関連のリスク及び機会が組織のビジネス・戦略・財務計画に及ぼす影響を説明する。 本ページにて開示済み
5 c) 2℃以下シナリオを含む、さまざまな気候関連シナリオに基づく検討を踏まえて、組織の戦略のレジリエンスについて説明する。 本ページにて開示済み
リスク管理 対応状況
6 a) 組織が気候関連リスクを識別・評価するプロセスを説明する。 本ページにて開示済み
7 b) 組織が気候関連リスクを管理するプロセスを説明する。 本ページにて開示済み
8 c) 組織が気候関連リスクを識別・評価・管理するプロセスが組織の総合的リスク管理にどのように統合されているかについて説明する。 本ページにて開示済み
指標と目標 対応状況
9 a) 組織が、自らの戦略とリスク管理プロセスに即して、気候関連のリスク及び機会を評価する際に用いる指標を開示する。 マテリアリティページにて開示済み
10 b) Scope 1、Scope 2 及び当てはまる場合はScope 3 の温室効果ガス(GHG)排出量と、その関連リスクについて開示する。 本ページにて開示済み
11 c) 組織が気候関連リスク及び機会を管理するために用いる目標、及び目標に対する実績について説明する。 本ページおよび環境目標・実績ページにて開示済み

ガバナンス

当社は取締役会による監督のもと、グループ横断的にサステナビリティ経営を推進するために、気候変動対策関連を含む、サステナビリティに関わる取り組みの意思決定機関として、代表取締役社長を責任者である委員長、CSO(最高サステナビリティ責任者)を副委員長、代表取締役会長及び全執行役員、グループ会社社長が委員として構成される「グループサステナビリティ委員会」を設置しています。
「グループサステナビリティ委員会」を随時開催し、サステナビリティに係わる全社方針や目標、施策の策定、重要課題であるマテリアリティの特定、モニタリングと定期的な見直し、および、サステナビリティ推進体制の構築や整備などを継続的に実施しています。また、サステナビリティ推進活動については取締役会への報告を行っております。なお、同委員会には社外役員もアドバイザリーとして関与し、社外の視点での指摘、アドバイスを受ける体制としています。


戦略

当社が認識している短期・中期・長期の気候関連リスクと機会、それらリスクと機会が当社のビジネスに及ぼす財務上の影響(定量評価)、ならびに対応策については以下の通りです。

気候関連リスクと機会への対応策については年1回、内容を確認し、対応状況のアップデートを実施し、当社戦略のレジリエンスについてご説明しております。

シナリオ分析では、低炭素社会へ移行することに伴い影響が顕著になる「2℃(1.5℃)シナリオ」と、
気候変動に伴う物理面で影響が顕著になる「4℃シナリオ」の2つのシナリオを用い、分析しました。

想定した世界観 概要 分析に使用した
具体的なシナリオ
2℃(1.5℃)
シナリオ 
産業革命期から2100年までに気温上昇を2℃(1.5℃)に抑える世界を想定したシナリオです。
脱炭素へ向け、現在より厳しい政策や規制の導入、市場の変化等によって、大気中の温室効果ガスの増加を抑制し気温上昇を抑える世界観を想定しています。
・Net Zero Emissions by 2050 Scenario
  (出典:IEA(国際エネルギー機関)WEO 2023)

・Sustainable Development Scenario
 (出典:IEA WEO 2019)

・RCP2.6
(出典:IPCC(気候変動に関する政府間パネル) AR5)
4℃
シナリオ 
産業革命期から2100年までに平均気温が約4℃上昇する世界を想定したシナリオです。
現行の気候関連政策は成行きで続き、異常気象の激甚化をはじめとした、平均気温上昇に伴う物理的影響が顕著になる世界観を想定しています。
・Stated Polices Scenario
(出典:IEA WEO 2023)

・RCP8.5
(出典:IPCC AR5)

 

移行リスク
※短期(0~2年)、中期(3~5年)、長期(5年超)
※影響度については、2030年時点のものとして検討しています
※対象範囲は当社グループ全社としています

リスク
カテゴリー
リスク項目 影響度評価
(大分類
影響時期 当社への主なリスク
または機会
影響度評価
(小分類) 
政策・法規制  炭素税の導入(原材料価格、包材価格、物流価格の上昇、炭素税負担)


 

中期~長期 炭素価格の導入による店舗運営コストの増加、原材料調達コストや製造コスト、包材コスト、物流コストの増加

電力価格の上昇、再生可能エネルギーの使用



中期~長期

電力価格の上昇によるエネルギーコストの増加、原材料調達コストや製造コストの増加、再生可能エネルギーへの転換に伴う調達コスト、設備投資コストの増加

 大
配送車両のEV化対応 中期~長期  自社配送車両のEV車両への入替のためのコスト増加、宅配車両、物流車両  中
代替プラスチックへの変更によるコストの増加 短期~長期 プラスチック規制に対応した代替原材料の調達コストの増加  小
市場 

消費者行動の変化、消費者嗜好の変化

短期~長期  消費者需要の変化による減収  中
評判  ブランド価値の毀損(顧客) 短期~長期  環境課題への対応遅れにより顧客からの信用失墜、ブランドイメージの低下による減収  大 
ブランド価値の毀損(投資家) 短期~長期  環境課題への対応遅れより投資家からの信用失墜、融資金利の上昇   中
ブランド価値の毀損(従業員)  短期~長期  環境課題への対応遅れにより従業員からの信用失墜、ブランドイメージ低下により
社員・クルー応募数の減少、採用難度上昇
 大


物理リスク

リスク
カテゴリー
リスク項目 影響度評価
(大分類)
影響時期 当社への主なリスク
または機会
影響度評価
(小分類) 
急性  異常気象・気象災害の頻発化・激甚化、
サプライチェーン断絶による調達コストの増加
短期~長期 店舗の浸水・停電等による被害増加、復旧費用の増加、休業による売上の減少、保険料増加、従業員被災による欠員増加と機会損失、原材料確保のためのコスト増加  大
慢性  平均気温の上昇 長期 店舗、工場、配送センターなどにおける電気使用量の増加、従業員の作業能率低下による生産性悪化、作物の収量低下や品質劣化などが発生。降水量の増加や干ばつが農畜水産物の収量・品質に悪影響を及ぼし、原材料価格が高騰。  大

機会
※短期(0~2年)、中期(3~5年)、長期(5年超)
※影響度については、2030年時点のものとして検討しています
※対象範囲は当社グループ全社としています

リスク
カテゴリー 
リスク項目 影響度評価
(大分類
影響時期 当社への主なリスクまたは機会 影響度評価
(小分類) 
エネルギー/技術

省エネ推進に伴う電力コストの削減



短期~長期

省エネ推進により電力使用量が最小化され、電力コストが減少

再生可能エネルギーの技術開発

中期~長期

低コスト化した太陽光発電の導入によるエネルギーコストの減少

 小

電気自動車の普及

中期

店舗への充電設備の設置が競合との差別化に繋がり、集客力が増加、蓄電池価格低下により車両維持トータルコストの減少

政策・法規制 

炭素価格の導入・引き上げ


中期~長期

物流の効率化による輸送コストの減少

小 

炭素価格の導入・引き上げ


長期 

GHG排出量ゼロを達成することによる炭素税の非課税化

資源の循環利用の促進

短期~長期 

資源循環利用のためのコストの増加

市場  ブランド価値向上 短期~長期 

サステナビリティ推進によるステークホルダーからの共感・高評価獲得

平均気温上昇 

中期~長期

気温上昇による消費者嗜好の変化に合わせた商品・サービスの開発による売上増加、暑い天候により喫茶需要が増加 

小 

異常気象・気象災害の頻発化・激甚化 

中期~長期 

災害時の対応による社会的信頼・評判の向上 

小 

消費者行動の変化、消費者嗜好の変化 

短期~長期 

環境配慮型商品・サービスの開発による売上の増加 

小 
評判 

投資家コミュニティからの評判向上

中期~長期

グリーンボンドなどの発行により、責任投資を重視する投資家コミュニティから新たな資金を引き付けられる可能性上昇


特定したリスクについて、2023年度は i)炭素税導入による影響、ii)電力価格の変化による影響、iii)洪水による影響、iv)高潮による影響について、定量的な分析を行いました。
なお、レートはIEA WEOで使用されている1ドル109.75円としました。

ⅰ)炭素税導入による影響

IEA『World Energy Outlook 2023』を参考に 2030年時点の炭素税額を4℃シナリオで0ドル/トンCO₂(STEP)、2℃(1.5℃)シナリオで140ドル/トンCO₂(NZE) と設定し、 スコープ1及び2に関する炭素税導入による財務影響額を試算しました。

その結果、当社グループの炭素排出量が2022年と同等の排出量の場合、 2℃(1.5℃)シナリオでは44.5億円のコスト増加が想定されます。

ただし、2030年までの目標としている、対2018年比で排出量50.4%減を達成できると炭素税の影響は32.2億円まで削減されます。 さらに、2050年目標であるCO2排出量実質ゼロを実現することで 炭素税の負担は軽減されると見込んでおり、 省エネ活動や再生可能エネルギーへの切替を通じ、今後も排出量削減に向けた取り組みを積極的に推進してまいります。


炭素税導入による影響

項目 シナリオ 2030年の事業への影響額(試算)
炭素税導入による影響 4℃シナリオ
2℃(1.5℃)シナリオ -32.2億円

想定炭素税額:
2030年4℃シナリオ0ドル/トンCO₂、2℃(1.5℃)シナリオ140ドル/トンCO₂ (IEA『World Energy Outlook 2023』より)


ⅱ)電力価格の変化による影響

IEA『World Energy Outlook 2019』を参考に現在の電力価格を216 USD/MWh 、2030年時点の4℃シナリオを209 USD/MWh(STEPS)、2℃(1.5℃)シナリオを231 USD/MWh(SDS) と設定し、影響額を試算しました。

その結果、2030年に当社の電力使用量が2022年と同等の使用量の場合、 電力価格変化の影響は4℃シナリオで3.0億円のコスト減少、2℃(1.5℃)シナリオで6.5億円のコスト増加が想定されます。


電力価格の変化による影響

項目 シナリオ 2030年の事業への影響額(試算)
電力価格の変化による影響 4℃シナリオ 3.0億円
2℃(1.5℃)シナリオ -6.4億円

想定電力価格:
2030年4℃シナリオ209 USD/MWh、2℃(1.5℃)シナリオ231 USD/MWh (IEA『World Energy Outlook 2019』よりグラフから読み取り)


ⅲ)洪水や高潮による影響

国土交通省『気候変動を踏まえた治水計画のあり方提言』や環境省『TCFDガイダンス』等を参考に2030年時点の洪水の発生倍率を4℃シナリオで3倍(RCP8.5)、2℃(1.5℃)シナリオで1.7倍(RCP2.6)、高潮の発生倍率を4℃シナリオで1.08倍(RCP8.5)、2℃(1.5℃)シナリオで1.06倍(RCP2.6) と設定し影響額を試算しました。

その結果、2030年時点では当社の資産額や営業店舗数等が2022年と同等の場合、洪水による影響は4℃シナリオで26.3億円のコスト増加、2℃(1.5℃)シナリオで14.9億円のコスト増加が、また、高潮による影響は4℃シナリオで3.4億円のコスト増加、2℃(1.5℃)シナリオで3.3億円のコスト増加が想定されます。


洪水による影響

項目 シナリオ 2030年の事業への影響額(試算)
洪水による影響 4℃シナリオ -26.3億円
2℃(1.5℃)シナリオ -14.9億円

高潮による影響

項目 シナリオ 2030年の事業への影響額(試算)
高潮による影響 4℃シナリオ -3.4億円
2℃(1.5℃)シナリオ -3.3億円

想定洪水発生倍率:
2030年4℃シナリオ3倍、2℃(1.5℃)シナリオ1.7倍  (グループ各社の店舗、工場、本部など全事業所の位置を地図にプロットした上で国土交通省『気候変動を踏まえた治水計画のあり方提言』や環境省『TCFDガイダンス』等から推計)

想定高潮発生倍率:
2030年4℃シナリオ約1.08倍、2℃(1.5℃)シナリオ約1.06倍 (グループ各社の店舗、工場、本部など全事業所の位置を地図にプロットした上でCLIMATE ANALYTICS『Climate impact explorer』より)

※洪水や高潮による資産への影響の試算ではトマトアンドアソシエイツ社のフランチャイズ店は試算対象外
 洪水による営業停止損失の試算ではトマトアンドアソシエイツ社、すかいらーくレストランツ社のフランチャイズ店舗は試算対象外

主要リスクへの対応策について

1. 炭素税導入による影響への対応

将来的な炭素税導入による財務影響のリスクを最小化するため、当社グループ全体におけるCO2排出量の削減に向けて積極的に活動しています。

(1) 省エネ・節電:エネルギー使用量の削減
省エネ設備の導入、従業員の節電・節ガス行動の徹底、ブランドごとに異なる店舗事情にあわせた省エネマニュアルの作成・配布・トレーニングなどを通じて電気・ガスの総使用量を削減し、省エネルギーな店舗オペレーションをスタンダード化すべく、日々、工夫を重ねています。



(2) 再生可能エネルギーの使用
業務車や配達車両の一部にEVを試験的に導入したほか、一部地域の店舗では各地の電力会社と連携し、オフサイトPPAによる再生可能エネルギーの活用に向けて相談しています。
酒々井MDCでは2023年12月より太陽光発電システムを導入し、工場使用電力の一部を太陽光発電によって賄う予定です。
再生エネルギーの導入施設数をKPIに設定しており、2024年は100施設を目標としております。
2030年までに車両総重量8トン以下の車両台数(2024年1月現在)のうち、定量的目標である 5%=計12台を非化石エネルギー自動車(EVトラック)へ切り替えることを目標としています。


 

(3) 環境配慮型店舗の開発
2023年8月に東京都・東村山市に環境に配慮したモデル店舗として『ガスト東村山市役所前店』をオープンしました。同店舗では自店での太陽光発電とCO2フリー電力、カーボンニュートラル都市ガスの利用により、CO2排出量実質ゼロで店舗を運営しております。



 関連プレスリリース:
 ・環境配慮型店舗オープン

2. 電力価格の変更による影響への対応

電力価格の変更によるリスクを最小限にするために、各拠点(店舗、セントラルキッチン、本部)に適した形で電力使用量を抑える活動を行っています。
特に、店舗での省エネ活動はお客様への影響を最小限にしながら効果を最大化させる方法を検討し、ブランドごとに異なる内容や手順で電力使用を抑えています。

3. 洪水による影響への対応

4. 高潮による影響への対応

自然災害への対策を事前に講じておくことで、災害時にも店舗やセントラルキッチン(MDC)の運営を早期に再開することが可能になります。当社ビジネスの早期再開は地域のみなさまに温かいお食事をご提供することにも繋がるため、食のインフラ企業としての務めを果たすことに繋がると考えます。
また、有事には地域の災害拠点として店舗を開放し、店舗内外の設備や予備食材を地域のみなさまに提供することによって、各地域への貢献を続けてまいります。
自然災害リスクの増大への対応として、以下の対応を進めています。

社員
  • 全社員の安否を速やかに確認する体制を構築、訓練も実施(全社員安否確認システム)
店舗
  • 緊急時連絡体制の構築と運用(緊急事態メール、災害ポータルサイト)
MDC
  • MDCでは浸水時を想定し、設計上、地上より約1m高い位置に建物を建設
  • 一部MDCに発電機を配備。発電機の配備がないセントラルキッチンには必要時に発電機を配送
  • 地方自治体との災害協定を締結(宮城県黒川郡大衡村と仙台MDC)
  • MDCが被災した場合、近隣の別拠点での製造・配送に切り替えられる体制を構築済み
  • 帰宅困難者対策条例に基づき、水を用意(東京都の店舗とMDCのみ、食料は店舗食料活用を想定)
本部
  • 緊急物資、発電機の備蓄:約3日分の水と食料、対策本部用の発電機を配備

2℃(1.5℃)シナリオにおける機会への対応

2℃(1.5℃)シナリオの場合、気候変動への対応を早期に進めておくことは、今後、お客様がますますサステナブルな商品やブランドを選ばれるようになった際に当社店舗や商品が選ばれることに繋がり、当社にとって事業機会になると考えています。
加えて、気候変動への対応が進んでいるという評判は従業員採用という観点でも当社にとって有利な状況を作ることに繋がるため、その意味でも事業機会になると思っております。
今後も以下のような取り組みを積み重ね、気候変動への対応をタイムリーに進めてまいります。

プラスチック削減に向けた取り組み
ストロー)石油由来プラスチックからバイオマスプラスチックに変更
     =>FSC認証®の紙ストローに変更
レジ袋)石油由来プラスチックからバイオマスプラスチックに変更
    =>有料化することで使用量を削減
使い捨てカトラリー)石油由来プラスチックからバイオマスプラスチックに変更
         =>バイオマスプラスチックから木製に変更=>フォークのみ、木製から竹製に変更
         =>有料化することで使用量を削減
割り箸)個包装をプラスチックから紙に変更
宅配・持ち帰り用包材の一部)タルク50%以上の素材に変更
 
関連プレスリリース:
 ・使い捨てカトラリーのフォークを竹製に変更、持ち帰り用お買い物袋を有料化
 ・バイオマスストローをFSC認証の紙製ストローに変更
 ・使い捨てカトラリーをバイオマスプラスチックから木製に変更
 ・すかいらーくレストランツ全店で使い捨てプラスチック製ストローを廃止
 ・テイクアウト・レジ袋をバイオマスプラスチックに変更
 ・ガスト全店で使い捨てプラスチック製ストローを廃止
 ・割り箸の個包装をプラスチックから紙に変更

・持続可能な調達の国際規格、ISO20400を取得
・CO2排出量実質ゼロの環境モデル店舗をオープン
・ロボット・注文タブレット・セルフレジ・テーブル決済などの積極活用による従業員に優しい店舗環境づくり

受賞歴
・第12回バイオマス製品普及推進功績賞 受賞(日本バイオマス製品推進協議会)
・第15回ロボット活用社会貢献賞 受賞(日本ロボット学会)
・Work Design Award 2023 Action部門 部門賞受賞(SmartHR)

関連プレスリリース:
3,000台のフロアサービスロボットの導入を完了
ロボット活用社会貢献賞 受賞
持続可能な調達の国際規格、ISO20400を取得
CO2排出量実質ゼロの環境モデル店舗をオープン
約2,400店にテーブル決済を導入
約800店でセルフレジを導入
TCFD提言に賛同、TCFDコンソーシアムに参画

関連ページ:
バイオマス製品普及推進功績賞 受賞

4℃シナリオにおける機会への対応

4℃シナリオの場合、お客様の嗜好の変化や行動の変化により、以下のような事業機会が生まれると考えています。

(1)来店動機の増加による機会                        
  • 暑い環境においてドリンクバーやかき氷など、冷たい商品の売れ行き好調
  • 暑い環境において外出時の休憩の場としての店舗利用増
(2)ニーズにマッチした商品開発による機会
  • 暑い環境で水分や塩分を補給できる商品の新規開発により客数増
  • 暑い環境でも食べたくなる冷たい麺商品などの開発により客数増
  • 熱中症予防などに必要な栄養素を摂取できるなどの付加価値追加商品導入による客単価増
  • (例)ねばとろ:食物繊維、レモンチキン:クエン酸、黒酢:発酵食品
(3)宅配サービス利用の増加による機会
  • 暑い環境で外出を控えるお客様、自炊を控えたいお客様からの宅配需要増
(4)外販商品の需要増加による機会
  • クイックに自宅調理ができる調理済み冷凍商品などの拡充による売上増

リスク管理

気候変動関連リスクを含むグループ全体のリスクマネジメントを統括する組織として、代表取締役社長を委員長、代表取締役会長や全執行役員を委員とする「グループリスク・コンプライアンス委員会」を設置しています。同委員会では気候変動関連リスクを含むさまざまなリスクを一元的に洗い出し、リスクの影響度合いなどを勘案して対処すべきリスクを特定しています。また、対処すべきリスクごとに主管部門を定め、適切な予防・対応措置を講じています。なお、リスクの影響度合いは、環境変化に応じて常に変動するため、年に1度、再評価を行っています。

気候関連のリスクと機会については当社対応状況や環境変化の状況を踏まえ、年に1度、グループリスク・コンプライアンス委員会で見直しするプロセスを設定し、そのように運用しています。

グループリスク・コンプライアンス委員会での審議内容は社外役員にも情報共有されており、リスクマネジメント体制の透明性確保に努めています。また、社外役員を同委員会のアドバイザリーとしており、社外の視点での指摘やアドバイスを受ける体制としています。


指標および目標

脱炭素、水資源の保全、脱プラスチックに関するKPIは以下の通りでその範囲は、すかいらーく全グループを対象としております。

  主な指標 KPI
2030年  2050年
脱炭素 GHG削減率(スコープ1+2) 50.4%削減(2018年比) ゼロ
GHG削減率(スコープ3)  30%削減(2018年比) ゼロ
 GHG削減率(スコープ1+2+3) 37%削減(2018年比) ゼロ
 水資源の保全 取水量 10%削減(2018年比)  20%削減(2018年比)
  2026年  2030年
 脱プラスチック 使い捨てプラスチック使用量 50%削減(2020年比)、
環境配慮型素材の比率を50%に
50%削減(2020年比)
使い捨てプラスチックにおける石油由来素材比率 50% ゼロ

※脱炭素(GHG削減率)、水資源の保全(取水量)は、2018年を基準年としています。
 脱プラスチック(使い捨てプラスチック使用量)は、2020年を基準年としています。
 GHG削減率(スコープ1+2)は、2020年にKPI目標を設定、
 GHG削減率(スコープ3)と(スコープ1+2+3)は、2022年にKPI目標を設定しています。


項目 2018 2019 2020 2021 2022 2023
温室効果ガス
(GHG)
スコープ1・2の合計排出量
(t-CO₂)
433,854 413,870 349,382 303,107 310,692 316,405
スコープ1・2の原単位
t-CO₂/百万円)
1.184 1.102 1.211 1.146 1.023 0.892
スコープ1の原単位
t-CO₂/百万円)
0.364 0.355 0.395 0.379 0.350 0.293
スコープ2の原単位
t-CO₂/百万円)
0.820 0.748 0.816 0.766 0.673 0.599
スコープ3の原単位
t-CO₂/百万円)
2.721 2.689 2.733 2.717 2.580 2.318
  • 2018年を基準年としています
  • 算定範囲は連結(海外、子会社含む)



当社の温室効果ガス排出量に関するリスクと機会は以下の通りです。
リスク 機会
規制強化と対応コストの増加
自然災害による営業停止、物流ネットワークの停止
お客様からの信頼獲得
省エネによるコスト削減

気候変動対策に取り組む業界団体・イニシアチブへの参画

すかいらーくグループは、パリ協定の実現に向けて、気候関連課題に取り組む団体に加盟、参画しています。

気候変動イニシアティブ(Japan Climate Initiative、以下JCI)」への参画について

JCIは、日本において気候変動対策に積極的に取り組む企業や自治体、団体、NGOなどの情報発信や意見交換を強化するため、2018年7月に設立されたネットワークで、パリ協定の実現に向け、「脱炭素化を目指す世界の最前線に日本から参加する」という宣言のもと活動を行っています。
すかいらーくグループは、このJCIのメッセージに賛同し、2023年10月に加盟。パリ協定の実現に向けた取り組みを加盟企業とともに進めています。

TCFDコンソーシアムへの参画について

当社はTCFDに賛同する企業や金融機関などの間で議論する場として設立された「TCFDコンソーシアム」に参画しています。
TCFDコンソーシアムは2019年5月に設立された、TCFD提言に基づく企業の効果的な情報開示や、開示された情報を金融機関等の適切な投資判断に繋げるための取り組みについて議論する場です。
当社は、TCFDコンソーシアムに参画し、より充実した情報開示に向けて情報収集を行っています。

  • 詳しくは「TCFD コンソーシアムホームページ」をご覧ください。
     (TCFD コンソーシアムへは 2022 年 2 月 9 日付で参画)
  • TCFDコンソーシアム参画についてのプレスリリースはこちら
      当社は以下のTCFDコンソーシアムの活動指針に賛同しています。
  • TCFDコンソーシアム活動指針

    1. 私達は、気候変動問題は世界共通の課題であると認識し、その解決のためにはイノベーションを起こすとともに、その成果を社会の隅々にまで普及していくことが不可⽋だと考えます。
    2. 私達は、気候変動対策におけるビジネスの役割の⼤きさを認識し、気候変動に伴うリスクを適切に管理するとともに、積極的にイノベーションに取り組み、それを開⽰していきます。また、その情報を活⽤し、イノベーションに取り組む企業に資⾦を供給し、「環境と成⻑の好循環」を実現していきます。
    3. 私達は、効果的な情報開⽰の在り⽅や開⽰された情報の活⽤の仕⽅について、本コンソーシアムにおいて積極的な対話を⾏い、相互の理解を深め、国際的にも発信していきます。

    当社の気候変動に関する方針と、所属業界団体の方針との整合性について

    当社グループは、気候変動に取り組む団体・イニシアチブの活動を支持し、その活動に関わっています。万一、それらの団体・イニシアチブの方針が当社グループの方針と矛盾する事態が発生した場合は、連携し、当社方針と整合性の取れた方針のもと、行動できるように努めていくと同時に、乖離が大きく整合性を取ることが困難な場合には脱退するなど、適切に対応します。

    日本フードサービス協会の気候変動に関する方針との整合性

    当社は外食産業の業界団体である一般社団法人日本フードサービス協会(JF)の会員です。
    当社の気候変動に関する方針(環境方針「すかいらーくグループは「すかいらーくグループ企業行動憲章」に則り、気候変動への影響を最小化すべく、環境問題への取り組みを、自主的、積極的におこないます。」、ならびに、環境への配慮「原材料の調達から生産、物流、店舗加工、廃棄にいたるサプライチェーン全体として、省エネルギー、食品ロスの削減、廃棄物の削減、節水に努めます。」)と、
    日本フードサービス協会の気候変動に関する方針(誓い「地球温暖化の防止など、環境問題への積極的な取り組みに努めます。 」、ならびに、環境保護への取り組み「物質循環を促進し、環境への負荷を軽減する循環型社会形成に向け、取り組みを推進」、「外食産業のエネルギー消費量およびCO2排出量削減も、我が国の温暖化対策を進める上で、非常に重要な位置を占めていると言えます。JFでは、こうした状況を踏まえ、環境共生への一翼を担っていきます。」)
    は整合する方針であると考えています。

    • 日本フードサービス協会の環境方針はこちら
    • 日本フードサービス協会の誓い(環境に関するものも含む)はこちら