2023年1月1日~2023年6月30日
株式会社すかいらーくホールディングス
証券コード:3197
トップメッセージ
株主の皆様へ
厳しい経営環境と外食マーケットの将来を見据え
収益構造改革と成長戦略を着実に実行しています
日頃より格別のご理解、ご支援を賜り、厚く御礼申し上げます。
業績予想の上方修正と株主還元について
2023年上半期の業績は、売上高1,698億円(前年比+282億円)、事業利益※56億円(前年比+146億円)、営業利益29億円(前年比+53億円)、当期利益5億円(前年比+33億円)となりました。既存店の収益構造改革は順調に進み、事業利益と営業利益はともに計画を上回る水準で進捗しています。
これを受け、今年度の業績予想を上方修正いたしました。売上高は3,550億円に据え置きますが、営業利益は60億円から100億円、当期利益は10億円から40億円、1株当たり配当金は3円から6円に変更いたします。また、株主優待につきましては、現行の内容を継続いたします。
※事業利益は売上高から売上原価および販売費及び一般管理費を除いた金額
2023年度の経営テーマと上期の取り組み
継続するインフレ環境の下、食材価格・エネルギーコスト・人件費の高騰など、コストプッシュの厳しい経営環境は今後も続くことを見据え、収益構造改革を進めています。上期においては、徹底したコスト削減(営業経費や食材ロスの削減、原価低減)と生産性の向上(全社におけるDX推進/困り事改善プロジェクト)の取り組みを実行し、約38億円の利益改善効果を上げました。
また、アフターコロナの外食マーケットを捉えた成長に向けて、全国3,000店舗のストアポートフォリオの見直しと適正化、コスパニーズを取り入れたメニューの実験を実施しています。それぞれの実験から得られた成功パターンは今後の成長戦略に落とし込み、外食需要の取り込みと売上成長に繋げていきます。
収益構造改革の取り組み
既存店の収益改善に向け、QSC(クオリティ・サービス・クレンリネス)改革による料理の品質・接客レベルの向上、深夜営業時間の拡大等による売上拡大、営業経費や食材ロス等の削減によるコスト削減に徹底して取り組んでいます。
深夜営業は、7月末までに1,755店舗に展開し、売上効果は年間換算で30億円を見込んでいます。
水光熱使用量や消耗品費、食材ロスなどのコスト削減は、研修会での啓発や成功事例の動画配信などを通じて日々の業務として定着が進み、また、低収益店舗は確実に後追いして改善を促す取り組みにより、店舗の収益構造は着実に改善しています。
食材価格高騰の打ち返しとして、部門横断の原価低減プロジェクトを展開し、大量購買や長期契約による調達価格のコントロール、外注品の内製化や製造工程の見直し、レシピの見直しなどに取り組んでいます。年間目標30億円に対して上半期は20.3億円を達成しており、順調に改善が進んでいます。
生産性向上として、DXも継続して推進しています。店舗では、2,100店舗に導入した3,000台の配膳ロボットの活用が進み、セルフレジの導入店舗は722店まで拡大しました。また、テーブル端末でのPayPay決済も2,400店で稼働を開始し、従業員の生産性向上とお客様の利便性の向上に貢献しています。さらに、現金対応のセルフレジ、ご来店時のご案内システムなど新たな実験を開始しています。また、生産・物流部門や本部においてもDXを推進し、全社レベルで生産性向上を追求しています。
売上成長に向けた実験
業態配置の最適化
新規出店は、主要ターミナル駅前の物件を中心にガスト、しゃぶ葉、バーミヤンなど、立地マーケットに最適なブランドを出店し、売上は好調に推移しています。今後も都市駅前や大型商業施設など集客力の高い立地への出店を計画しています。
業態転換は、ラ・オハナ(ハワイアン)やむさしの森珈琲などカジュアルダイニングブランドの最適配置と、近隣店舗の自社カニバリの解消を目的に展開しています。今年1月に初出店した新業態の「飲茶テラス 桃菜」は7月までに12店舗を転換オープンし、いずれの店舗も好調に推移しています。転換後の売上効果に加え、例えばガストから桃菜に転換した三鷹店では、近隣のガスト3店舗の売上も全て増加する効果がありました。今後、全国で同様のカニバリ解消効果が見込まれる地域に展開し、それぞれのエリアでの収益最大化を目指します。
メニュー戦略
主力業態のガストにおいて、6月~7月にサイドメニューを中心に半額クーポンキャンペーンを実施しました。併売率が向上したことで客単価の顕著な低下は見られず、約20%の客数増の効果がありました。本キャンペーンの学びから、「価格以上の価値を感じられるメニュー」「お値打ち感のある圧倒的ボリューム商品や高単価商品」「お得なセットメニュー」などを中心に、今秋以降のメニュー改定に反映させ、他ブランドにも横展開し、売上客数成長を目指していきます。
ESGの推進と外部評価の向上
ESGの取り組みは当社の経営戦略の1つと位置付け、積極的に推進しています。
直近では、環境配慮モデル店舗としてCO2排出実質ゼロのガストを東京都東村山市に8月11日にオープンしました。太陽光パネルの設置、CO2フリー電力の使用、カーボンニュートラル都市ガスの使用等により、年間約88トンのCO2を削減します。また、再生建材の使用、地域木材の使用、雨水の有効利用など資源の有効活用、従業員の働きやすい環境づくり、ITデジタルの積極活用により、サステナブル店舗を実現しました。
継続的なESG活動により、外部評価も向上しています。一例として、今年4月にGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が新しく採用した ESG 指数「Morningstar Japan ex-REIT Gender Diversity Tilt Index」に選定されました。また、世界的なESG評価指標の「MSCI ESGレーティング」で、昨年度から1段階格上げされ、「A」評価を獲得しました。
持続可能な成長に向けた重要な戦略として、また、持続可能な社会の実現に貢献するため、ESGの取り組みは継続して推進していきます。
株主の皆様におかれましては、今後ともご支援を賜りますようお願い申し上げます。
2023年9月20日
株式会社すかいらーくホールディングス
代表取締役会長 谷 真
代表取締役社長 金谷 実
決算ハイライト
2023年度上期業績サマリー
単位:億円
|
2023年
上半期 |
2022年
上半期 |
前年比% |
2023年
第2四半期 |
2022年
第2四半期 |
前年比% |
売上高 |
1,698 |
1,416 |
119.9% |
852 |
745 |
114.5% |
既存店売上高 |
|
|
121.3% |
|
|
115.2% |
既存店客数 |
|
|
108.1% |
|
|
103.1% |
既存店客単価 |
|
|
112.2% |
|
|
111.7% |
事業利益 |
56 |
(90) |
- |
36 |
(32) |
- |
営業利益(損失) |
29 |
(24) |
- |
32 |
(22) |
- |
調整後四半期利益 |
5 |
(28) |
- |
12 |
(23) |
- |
調整後ROE |
(1.9)% |
4.1% |
(6.0)% |
(1.9)% |
4.1% |
(6.0)% |
店舗展開 |
新規出店13店、業態転換24店
店舗改装48店 |
新規出店5店、業態転換14店、
店舗改装24店 |
- ※ 既存店定義:日本国内の13か月経過店舗、ブランド転換店含む、株主優待券の値引き分は含まない
- 客数はデリバリー含む(デリバリー売上高をイートイン客単価で割ったものをデリバリー客数としている)
- ROEは直近12ヶ月の数値
- 業態転換は転換準備の為の未開店店舗9店舗を含まない
NEWS DIGEST
NEWS 1:環境配慮モデル店舗
CO2排出量実質ゼロのガストが初オープン
2023年8月、脱炭素社会の実現に向けてガストの環境配慮モデル店舗をオープンいたしました。8月11日にグランドオープンしたガスト東村山市役所前店は、太陽光発電設備とCO2フリー電力を導入し、電力を100%再生可能エネルギーで対応しています。また、カーボンニュートラル都市ガスを導入し、電気とガスを併せてCO2排出量実質ゼロで運営することで、年間約88tのCO2を削減いたします。 お客様の利便性向上、従業員の働きやすい環境づくりを目指し、DXも積極活用したサステナブル店舗となります。詳しくはこちら
NEWS 2:「子どもの遊び場支援募金」にて3回目となる遊具を設置
社会貢献活動の取り組みの一環として、2021年6月より「特定非営利活動法人プレイグラウンド・オブ・ホープ(以下、POH)」の活動を支援する「子どもの遊び場支援募金」を実施し、お客様や従業員からお預かりした募金で、遊具の設置活動を行っております。
今年も6月に、POHのスタッフおよび社内公募により集まったすかいらーくグループの従業員、およそ40名が力を合わせて、子ども達と一緒に大型遊具とベンチ4脚の組み立て作業を行いました。
遊具設置 |
2021年11月6日 千葉県児童養護施設「平和園」
2022年6月18日 東京都児童養護施設「調布学園」
2023年6月10日 東京都児童養護施設「子供の家」 |
NEWS 3:全国約2,400店舗以上で「テーブル決済サービス」導入
2023年8月に、ガスト、バーミヤン、ジョナサン、しゃぶ葉など約2,400店舗以上で「テーブル決済サービス」を本格導入いたしました。混雑時もレジに並ばず、客席テーブルのQR決済でお会計をいただくことができます。ネコ型配膳ロボット3,000台導入に続き、ITデジタルを積極活用することで新たなテーブルサービスレストランの価値をご提供いたします。
目的
顧客満足度の向上
- お客様をお待たせしないサービス
- サービス品質の向上
働きやすい職場環境
- 多様な人財に活躍いただけるフロアサービス改革
- 採用難という中長期の社会課題への迅速な対応
NEWS 4:「緑の募金(公益社団法人国土緑化推進機構)」へ寄付
森林の整備や緑化の推進のため、持ち帰り・宅配用カトラリー売上の一部を、「緑の募金(公益社団法人国土緑化推進機構)」へ寄付しています。 売上の一部を公益社団法人国土緑化推進機構へお届けし、森林の整備や緑化の推進支援活動にお役立ていただきます。
売上期間 |
2023年4月1日~6月30日
2023年1月1日~3月31日
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寄贈先 |
緑の募金(公益社団法人国土緑化推進機構) |
販売店舗 |
株式会社すかいらーくレストランツが運営する約 2,650 店舗 |
寄付総額 |
707,755円 |
株主メモ
みずほ信託銀行株式会社証券代行部