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株主通信 2024年

株式会社すかいらーくホールディングス
証券コード:3197


トップメッセージ

株主の皆様へ

既存店を強化し、
持続可能な成長を目指します

日頃より格別のご理解、ご支援を賜り、厚く御礼申し上げます。

上半期業績と株主還元について

2024年は、売上高1,914億円(前年比+216億円)、事業利益119億円(前年比+63億円)※、営業利益120億円(前年比+91億円)、当期利益63億円(前年比+57億円)となりました。堅調な外食需要を取り込んで、既存店は好調に推移し、新規出店と業態転換も計画を大きく上回る好業績で、増収増益となりました。
下半期も堅調なトレンドが続くと見込まれることから、今期の業績予想を上方修正いたします。(売上高:3,750億円から3,950億円、事業利益:170億円から250億円、営業利益:150億円から240億円、当期利益:75億円から130億円に修正) これを受け、1株当たりの配当金は10円から17.5円に増額させていただき、増額の7.5円を中間配当といたします。また、株主優待につきましては、現行の内容を継続いたします。

※事業利益は売上高から売上原価および販売費及び一般管理費を除いた金額

インフレ状況について

インフレに関しては、前年同期比で+14.2億円のコスト増となりました。年間想定に対して上半期は低く抑えることが出来ましたが、秋以降、米価格のさらなる高騰や、最低賃金の大幅引き上げなど、下半期は様々なコスト増加要因が控えており、年間想定通りの68億円前後を見込んでいます。
なお、今年度とコロナ前の2019年との比較では、約300億円のコスト増加となっています。今年度の売上高と営業利益の予想は共に2019年を上回る水準であり、これまでの収益構造改革と、現在進めている既存店対策の成果の表れだと認識しています。

上半期業績の内訳

既存店の概況

既存店の強化は、成長戦略の中で最も重要な課題だと認識しています。その実現に向けて、従前より、営業政策とマーケティング(メニュー・プロモーション)政策に注力しており、着実に実力を上げてきています。
上半期の前年対比のイートイン売上高は14%上昇し、テイクアウト・宅配の売上高は9%上昇しました。



既存店成長に向けての基本方針として、人的資本の充実=店舗中心経営 を掲げています。
代表的な取り組みと効果として、ピークの時間帯に労働時間を投入することで、回転率が向上し、上半期前年対比の売上高は13%上昇しました。一方で、人件費率は2%改善し、結果、労働時間を増やしつつも、営業利益は+16%増加となりました。



営業政策では、客数回転率の向上に加え、サービス・品質の向上も売上増に貢献しています。具体的な取り組みとして、オンライン面接を推進するなど採用プロセスを効率化することで採用数は前年比120%となりました。
また、教育/トレーニングプログラムの充実等により定着率が向上し、在籍人数も前年比110%と増えています。
さらに、クルーポイント制度を導入し、週末などの繁忙期の出勤にポイントを付与することで、人財の確保がしやすくなりました。客数増に応じて適正な人員を配置することで、売上・利益の最大化とサービス・品質の向上を実現しています。事実、お客様からのクレームは減少し、お褒めの声は、昨年から1.3倍に増加しています。



コロナ禍を経てインフレ環境に転じ、コスト削減だけでは利益が出せない新たな時代を迎えて、ライフスタイルを的確に捉えた経営がますます重要になっています。
先にも述べましたが、当社は今、コスト削減重視の経営から、「店舗中心経営」に大きく舵を切り対応を進めています。業績インセンティブ制度の新設や、評価制度の改革などを通じて、店舗マネジャーのやる気を引き出し自律的な店舗運営と目標達成のサポートを組織的に推進しています。加えて、教育・研修制度を充実させて、個人の能力に応じたスキルアップを推進しています。サービス研修においては、「お客様の立場に立って考える」ことを従業員一人一人の行動に徹底して浸透させることに努めています。
一連の取り組みによって、従業員のモチベーションと帰属意識を高めることで、より良いサービスが実現し、お客様満足=客数・客単価の増加に繋がり、収益の増加に貢献するという好循環を生み出していくものと確信しています。この人的資本への投資による従業員の満足度の向上と成長こそが、これからの企業成長の源泉であり、今後も人への投資を強化していく考えです。

店舗開発施策の状況

上半期の「新規出店」、並びに、既存店売上に貢献する「業態転換」「店舗リモデル」「リードサイン(誘導看板)」「店頭看板」の実績と売上/客数効果は下表の通りです。いずれの政策も順調に進捗し、上半期の収益に貢献しています。

メニュー・販促施策

営業政策と店舗開発政策に加えて、メニュー・販促施策も既存店売上高の成長を牽引しています。

コストパフォーマンスの高いメニュー、季節の商材、家庭では食べられないメニューなど、ブランド毎の特性に合ったフェアメニューを投入し、客数増加(前年比109%)と客単価上昇(前年比103%)に貢献しました。また、グランドメニューのブラッシュアップや一部商品の価格改定を実施することで、粗利率の改善に努めました。

プロモーションは、広告宣伝費を増やして集客を図っています。ブランド横断的に「鬼滅の刃」コラボキャンペーンを展開し、ヤングファミリーを中心に客数効果を上げました。また、ガストでは、タレントのヒロミさんがスペシャルアドバイザーに就任してオリジナルDIYメニューを考案する企画など、外食の楽しさを訴求するプロモーションを積極的に展開し、集客に繋げました。下半期は、広告宣伝費をさらに投下し(前年比146%)、デジタル・アナログ媒体の露出の拡大や個店毎の販促を強化いたします。

5月16日よりスタートしたすかいらーくポイントプログラムは、アプリのダウンロード数、アプリ会員数、ポイント付与率が順調に増加しています。従業員インセンティブへの活用や、今後は、顧客の細分化したニーズを捉えた商品・サービス開発、プロモーションなど、CRM(=お客様との関係強化のための施策)への活用を強化していきます。

宅配事業

宅配事業も様々なキャンペーンを実行し、第2四半期の宅配事業の売上前年比は113%と好調でした。
現在、店舗のキャパシティや立地条件に応じて、「自社配達」、「自社受注・他社配達」、「他社受注・他社配達」の3パターンで事業を編成し、効率化と収益の最大化を目指しています。中でも「自社受注・他社配達」は、従来の自社顧客を維持して、自前ではコスト負担が大きい配達を第三者のUber社やWolt社に委託する新たなスキームで、現在約732店舗まで導入が進んでいます。

DX進捗

DX施策は計画通り進捗しています。お客様の利便性の向上とフロアサービスの生産性向上、店舗運営の効率化、工場における電子化や自動化、本部業務のさらなる効率化やDX人財の育成など、全社的な生産性向上が進んでいます。

ESG取り組み状況

ESGの進捗について、環境関連では、しゃぶ葉全店で「こまめどりプロジェクト」を始動しました。しゃぶしゃぶ食べ放題の食品ロス対策として、こまめに取って食べ残しのなかったお客様にクーポンを提供する取り組みは、お客様、環境、当社の三方良しの施策となっています。このほか、自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD※)提言への賛同とともに、国際組織「TNFDフォーラム」にも参画しました。

社会貢献では、4月に発生した台湾東部地震に対して、当社および台湾現地法人から、店頭募金、マッチング募金、バーミヤンの寄付付き商品からの寄付等を合わせ、約2,700万円を寄贈しました。

外部機関のESG評価に関しては、「SOMPOサステナビリティ・インデックス」に2年連続で選定されました。また、国際的なESG評価機関のFTSE RussellからESG Ratings 4.7点(5点満点中)という高いスコアを獲得し、「FTSE Blossom Japan Sector Relative Index」に3年連続で選定されました。国内の上場企業約1,400社の中で当社は第6位のスコアで、トップクラスの評価を得ています。

※企業活動が自然環境に与える影響を評価し、その情報を公開するための国際的なフレームワーク

株式会社資さんの全株式取得について

2024年9月6日付リリースでお知らせしましたが、この度、株式会社資さんの全株式を取得し、すかいらーくグループのパートナーとしてお迎えすることになりました。当社の経営理念である「価値ある豊かさの創造」、及び株式会社資さんの経営理念「幸せを一杯に。」の実現にむけてともに歩んでまいります。
当社は、北九州のソウルフードとして愛され続ける資さんの味・歴史を尊重し、大切に守り続けたいと考えています。長きにわたり資さんを愛してこられたお客様・従業員を大切にし、すかいらーくグループ約 3,000 店舗のインフラを利用いただく事でお店を拡げ、全国に資さんファンを増やしてまいりたいと考えています。
双方がWin-Winとなる関係を築くために惜しみなくサポートを行い、両社の企業価値のさらなる向上に努めてまいります。


株主の皆様におかれましては、今後ともご支援を賜りますようお願い申し上げます。


2024年9月19日
株式会社すかいらーくホールディングス
代表取締役会長 谷 真
代表取締役社長 金谷 実

決算ハイライト

2024年度上期業績サマリー

単位:億円

2024年
上半期
2023年
上半期
前年比% 2024年
第2四半期
2023年
第2四半期
前年比%
売上高 1,914 1,698  112.7% 959 852 112.5%
既存店売上高 112.5% 111.9%
既存店客数 109.2% 107.0%
既存店客単価 103.1% 104.6%
事業利益 119 56 113.0% 55 36 154.2%
営業利益 120 29 320.1% 59 32 182.0%
調整後中間利益 63 5 1047.1% 29 12 137.6%
調整後ROE 7.6% (1.9)% 9.5% 7.6% (1.9)% 9.5%
店舗展開 新規出店13店、業態転換45店
店舗改装26店
新規出店7店、業態転換30店、
店舗改装19店
  • ※ 既存店定義:日本国内の13か月経過店舗、ブランド転換店含む、株主優待券の値引き分は含まない
  •   客数はデリバリー含む(デリバリー売上高をイートイン客単価で割ったものをデリバリー客数としている)
  •   ROEは2024年は上半期x2で算出、2023年はLTMベースで算出
  •   業態転換は転換準備の為の未開店店舗9店舗を含まない

NEWS DIGEST

NEWS 1:令和6年能登半島地震の支援活動

約2万食の配食を実施

すかいらーくグループでは、1月2日より緊急支援募金を実施するとともに、被災された方々へあたたかいお弁当を配食させていただきました。
1月12日〜3月31日までの期間で約2万食の配食を実施し、120名を超える社内ボランティアが参加いたしました。


詳しくはこちら

NEWS 2:令和6年台湾東部地震の支援活動

総額 約2,700万円を寄贈

 

2024年4月3日に発生した台湾東部地震の被災地支援活動のため、翌日から、すかいらーくグループ約2,700店舗の店頭で募金を実施いたしました。その他の支援活動も含め、総額2,700万円を寄贈しました。


取り組み 寄贈先 金額
1 お客様からの募金(日本) 財団法人賑災基金会
(台湾政府系の財団)
7,656,658円
2 すかいらーくからの寄付
(マッチング募金)
日本赤十字社を通して
台湾赤十字組織
7,656,658円
3 バーミヤンの支援メニュー
売上額の一部を寄贈
10,693,920円
4 お客様からの募金(台湾) 財団法人台湾仏教慈済
慈善事業基金会
344,461元
(約1,700,000円)
総額 約27,707,236円

動画はこちら

NEWS 3:全国約2,600店舗で、すかいらーくポイントプログラム開始

20ブランド以上でたまる!つかえる!

ガスト・バーミヤン・しゃぶ葉など20ブランド以上で利用可能な“すかいらーくポイント”が、2024年5月16日(木)より開始いたしました。すかいらーくポイントと共通ポイント(楽天ポイント・Vポイント・dポイント)をダブルでためて、つかうことができ、グループ内の相互送客にも貢献しています。


NEWS 4:しゃぶ葉でフードロスの取り組み 「こまめどりプロジェクト」始動

2024 年 4 月からしゃぶしゃぶ食べ放題「しゃぶ葉」の全店で、フードロス削減を目指した『こまめどりプロジェクト』をスタートしました。

食べ放題は、ついつい取り過ぎてしまいがちですが、お客様が食べきれる量をこまめにお取りいただき、お食事を残さず楽しんでいただく取り組みが「こまめどり」です。食べ過ぎない、食べ残さない、きれいに食べておなかも地球にも嬉しい。 1 皿1皿を大切に、お客様と一緒にフードロス削減を目指しています。

 

株主メモ

みずほ信託銀行株式会社証券代行部
事業年度 1月1日から12月31日まで
基準日 毎年12月31日
剰余金の配当の基準日 毎年6月30日、毎年12月31日
公告掲載方法 電子公告により行います。
ただし、事故その他やむを得ない事由によって電子公告による公告をすることができない場合は、日本経済新聞に掲載して行います。
公告掲載URL https://www.skylark.co.jp/company/group_public.html
株主名簿管理人
(兼 特別口座管理機関)
〒100–8241 東京都千代田区丸の内1丁目3番3号
みずほ信託銀行株式会社
同連絡先・郵便物送付先 〒168-8507 東京都杉並区和泉二丁目8番4号
同取次所 みずほ信託銀行株式会社 本店および全国各支店
各種事務手続き 詳しくは、こちらのページにてご確認ください。
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