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TCFD・TNFD対照表

ガバナンス

推奨される開示内容 TCFD TNFD 掲載箇所
取締役会の監督体制 グループ横断的にサステナビリティ経営を推進するため、気候変動や生物多様性、水資源の保全などサステナビリティに関わる取り組みの意思決定機関として、代表取締役社長COOを責任者である委員長、CSuO(最高サステナビリティ責任者)を副委員長、代表取締役会長CEO及び全執行役員、グループ会社社長が委員として構成される「グループサステナビリティ委員会」を設置しており、取締役会は定期的に報告を受け、レビューを行うなど監督をしております。なお、同委員会には社外役員もアドバイザリーとして関与し、社外の視点での指摘、アドバイスを受ける体制としています。

・TCFD提言への対応


・有価証券報告書2【サステナビリティに関する考え方及び取組】


・TNFDレポート

経営者の役割 「グループサステナビリティ委員会」において、サステナビリティに係わる全社方針や目標、施策の策定、重要課題であるマテリアリティの特定、モニタリングと定期的な見直し、および、サステナビリティ推進体制の構築や整備などを継続的に実施するとともに、サステナビリティ推進活動については定期的に取締役会メンバーへ報告を行っております。
先住民族・地域社会・影響を受けるステークホルダー・その他ステークホルダーに向けた人権方針とエンゲージメント活動、取締役会・経営者の監督(TNFDのみ開示推奨)
  • 国連「ビジネスと人権に関する指導原則」など国際基準が掲げる人権の尊重をもとに、グループ人権方針及び調達方針を策定。国連グローバルコンパクトへも賛同し、コミットメントを表明。
  • サプライヤーの選定時は、財務的な信頼性、品質の安定性のみならず、サプライヤーの従業員管理(労働安全衛生確保等)、人権配慮(児童労働、 強制労働、差別、ハラスメント、結社の自由、団体交渉、長時間労働等)、環境への配慮(エネルギー、気候変動、環境汚染防止、廃棄物管理、水資源、生物多様性、その他環境問題、食品ロス、 資源利用等)、倫理コンプライアンス(汚職防止、利益相反、反競争的行為)、その他の反社会的行為の状況など、ESG基準を組み込むことにより、社会的責任を果たしているサプライヤーを優先して選定しています。また、各地の法律・習慣・現状で判断するのではなく、該当する日本国法に照らして著しい乖離があるか否かで判断しており、問題のある場合は取引を開始しない、という厳格なポリシーを実行することで責任ある調達に努めています。
  • 人権尊重を含むサステナビリティに関わる取り組みの実行計画や進捗状況はグループサステナビリティ委員会で承認・管理され、取締役会へ報告しています。
  • 先住民のFPIC(自由意思による、事前の、十分な情報に基づく同意)の確保をサプライヤー選定時の要件の1つとしていること、また当社グループのマテリアリティの1つである「責任ある調達」の実効性の強化を目的として、内部通報窓口はサプライヤーからも受け付けており、違反行為防止とサプライチェーン全体への浸透活動を推進しています。
・人権に対する考え方

・責任ある調達

・生物多様性

・TNFDレポート

戦略

推奨される開示内容 TCFD TNFD 掲載箇所
短期・中期・長期の依存関係・影響・リスクと機会 気候・自然資本との依存関係
  • 原材料調達段階における水や食材を供給するサービスへの依存
  • 工場での原材料の加工段階における水を供給するサービスへの依存
  • 店舗での加工・調理段階における水を供給するサービスへの依存
  • 自然が供給する様々な原材料(農畜水産物)への依存
気候・自然資本への影響
  • 原材料調達段階における土地利用による影響
  • 店舗、工場での原材料の加工段階における水資源の使用、廃棄物の排出による影響
  • バリューチェーン全体での温室効果ガスの排出、水資源の使用、廃棄物等の排出による影響
気候変動・自然資本損失による物理的リスク・機会
  • 異常気象・気象災害の頻発化・激甚化により、サプライチェーンが断絶することによる調達コストの増加リスク
  • 平均気温上昇により、降水量の増加や干ばつが農畜水産物の収量・品質に悪影響を及ぼし、原材料価格が高騰するリスク
  • 森林保全や動物福祉などの取り組みへの注目やカーボンプライシングにともない、代替肉やCO₂排出量の少ない畜産品に切り替えることで牛肉の調達コストが増加するリスク
  • 洪水・高潮にともない、工場や施設、店舗の稼働停止や輸送への支障により機会損失が発生するリスク
  • サステナビリティの積極的な推進にともない、顧客やステークホルダーからの共感・高評価を獲得できる機会
  • 異常気象による酷暑の夏や極寒の冬が到来し、顧客に冷たい商品、温かい商品がよく売れるようになる機会
脱炭素社会や自然と共生する社会への移行リスク・機会
  • 炭素税の導入にともない、原材料価格、包材価格、物流価格が上昇し、炭素税負担額が大きくなるリスク
  • 電力価格の上昇や再生可能エネルギー使用への転換にともなう調達コスト、設備投資コストが増加するリスク
  • 農業従事者減にともない、農作物の収穫が減少するリスク
  • 温暖化や渇水により、主要な原料農作物の収穫の減少リスク
  • 社会全体の環境に対する意識の高まりにより、法規制が強化され、サプライヤー監査などの対応がより強く求められるリスク
  • 渇水中の施設の稼働や、施設からの排水に汚染物質が流出することにより当社ブランド価値が低下するリスク
  • 消費者行動の変化、消費者嗜好の変化にともない、脱炭素、脱プラスチック関連商品のサービス開発による売上増加の機会
  • 気候変動・生物多様性保護に貢献するメニュー開発による売上増加機会
  • 食品廃棄物の削減を推進することによって調達コスト、廃棄物処理コストを低減させる機会
・TCFD提言への対応

・事業等のリスク

・マテリアリティ

・有価証券報告書2【サステナビリティに関する考え方及び取組】3【事業等のリスク】

・TNFDレポート

 
ビジネスモデル・バリューチェーン・戦略・財務計画に及ぼす影響
様々なシナリオを考慮した組織戦略のレジリエンス
複数の気候関連シナリオ・自然関連シナリオに基づいてリスク・機会を評価し、特に影響時期が早く、影響度が高いリスク・機会については、対応を早急に進めるとともに定期的なレビュー・評価を行っていく
直接事業・上流・下流において次に該当する地域
・生態系の完全性が高いまたは低下している地域
・生物多様性の重要性が高い地域
・水ストレスのある地域
・大きな依存関係や影響を持つ可能性がある地域
(TNFDのみ開示推奨)
  • 水資源の量や質の低下リスクのある水リスク地域に立地する当社拠点を「WRI AqueductのWater Risk Atlas」を用いて調査しましたが、2024年末時点で、「非常に水リスクが高い」「水リスクが高い」流域に立地している拠点はありませんでした。また水ストレス地域については、「水ストレスが高い」流域に立地している拠点が日本国内に1施設、国外に1施設ありました。
  • TNFDの挙げる外部ツールを活用して「事業活動の影響を受けやすい地域」を分析・評価した結果、直接操業においては「東松山MDC」を、バリューチェーン上流については「ウルグアイ」「オーストラリア」を優先地域として特定しました。
・水資源の保全

・生物多様性

・TNFDレポート

リスクと影響の管理

推奨される開示内容 TCFD TNFD 掲載箇所
直接操業・隣接地域・上流や下流のバリューチェーンにおいて、自然関連課題を特定、評価、優先付けするプロセス 直接操業、及びバリューチェーンにおける自然資本への依存・影響については、TNFDの推奨する複数のツールを活用して把握しています。生物多様性リスク、財務リスクが特に懸念される「優先地域」において、自然資本に対するリスク・機会を特定し評価しています。
<特定プロセス>
  1. 自然資本との依存/影響関係の重要度の高い事業活動を特定
    「ENCORE」を使用し、当社事業(上流・直接操業)と自然資本との依存/影響の重要度を確認し、特に重要度の高い事業活動を特定。
  2. 当社にとって財務影響の高い拠点の特定
    ➡【バリューチェーン上流】
    SBTNの「HICL」を活用し、自然リスクの高い原材料を確認。購入金額の最も多い「牛肉」を特定。
    ➡【直接操業】
    店舗のセントラルキッチンの役割を担うマーチャンダイジングセンター(MDC)を特定。
  3. 生物多様性リスクの高い拠点の特定
    IBAT、Global Forest Watch、WRI Aqueductなどを活用し、②のうち生物多様性リスクの高い拠点を「優先地域」として特定。
     バリューチェーン上流:牛肉の生産地「オーストラリア」「ウルグアイ」
     直接操業:「東松山MDC」(埼玉県東松山市)
  4. 優先地域におけるリスク・機会の特定、対応策の検討
    リスクと機会の影響度について、TNFDの提唱する複数のシナリオで評価。
・水資源の保全

・TNFDレポート

管理プロセス
  • 気候変動、水資源、生物多様性に関連するリスクは、グループサステナビリティ委員会が統括し、上記に含まれないリスクはグループリスク・コンプライアンス委員会が統括しています。両委員会は連携し、対処すべきリスクごとに主管部門を定め、適切な予防・対応措置を講じます。 両委員会での審議内容は社外役員にも情報共有され、リスクマネジメント体制の透明性確保に努めています。また、社外役員を両委員会のアドバイザリーとし、社外の視点での指摘やアドバイスを受ける体制としています。取締役会は、グループサステナリティ委員会からの定期報告を受け、リスクの状況と管理体制を監督しています。


  • 投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある「事業等のリスク」を特定し、継続的にリスク管理を実施。この事業等のリスクは1年に1回見直していることと、エマージングリスク(新興リスク)を設定し、当社の持続可能性を高めることに繋げています。
・リスクマネジメント

・TCFD提言への対応

・TNFDレポート


・有価証券報告書2【サステナビリティに関する考え方及び取組】3【事業等のリスク】
組織全体のリスク管理への統合・情報提供の状況 ・リスクマネジメント
・事業等のリスク

・TNFDレポート

指標と目標

推奨される開示内容 TCFD TNFD 掲載箇所
リスクと機会の評価・管理に用いる指標 気候関連リスク・機会を評価・管理する指標として、温室効果ガス排出量(Scope1, 2, 3)を設定し、モニタリングしています。
  • 自然関連リスク・機会を評価・管理する指標として、取水量の削減、環境負荷軽減(廃棄物排出量、使い捨てプラスチック排出量)、生物多様性の保全(国産野菜のJGAP認証、パーム油のRSPO認証、紙製品のFSC/PEFC認証などへの切り替え)、森林破壊ゼロを設定し、モニタリングしています。
  • TNFDのコアグローバル指標については、GHG排出量、取水量、廃棄量等の一部指標を既に開示しています。一方で、土地利用変化、排水成分、非GHG汚染物質、侵略的外来種、生態系の状態等については現時点で十分なデータが揃っていません。これらは今後のデータ収集・評価課題として位置づけ、開示拡充を進めてまいります。
・マテリアリティ 
・環境目標・実績
・サステナビリティレポート

・TNFDレポート

自然への依存と影響の評価・管理に用いる指標
自然関連課題を管理するために用いる目標と実績 気候関連、自然関連の設定したKPIに対して、四半期ごとにサステナビリティ委員会で実績と行動進捗を報告、評価するとともに、毎年ホームページ等で実績を公表しております。 ・マテリアリティ

・TNFDレポート