1.基本的な考え方
当社グループは、「すかいらーくグループ企業行動憲章」を制定して全役職員で共有し、法律、国際ルールおよびその精神を遵守するともに、社会的良識をもった行動に努めています。
特に食の安全・安心については最重要課題と位置付け、各種マニュアルなどを通じて全役職員を教育し、徹底を図っています。
また、「内部統制基本方針」において、コンプライアンスに関する基本事項を定め、これを適切に運用することにより、コンプライアンスの徹底と社会的信用の向上を図っています。
2.倫理・コンプライアンス問題に関する推進体制
お客様をお迎えする店舗では、マネジャー(店長)がコンプライアンスの中核的役割を担っています。マネジャーがマニュアル、チェックリストなどに基づいてサービスの提供をおこない、店舗でのマニュアルなどの遵守状況については、業務から独立した内部監査室がチェックしています。また、お客様からの声やご要望を商品やサービスの品質向上に活かすため、お客様相談室を設置し、お客様からの声に対して迅速に対応できる体制を整えています。
お客様相談室に寄せられたお客様からのご指摘、ご意見、ご要望などは、「お客様の声」として経営層に報告しているほか、関連する部門と共有し、業務運営の見直しや商品・サービスの改善を行っています。
店舗を支える本部においては、取締役会の責任、監督のもと、代表取締役会長、代表取締役社長および全執行役員で構成される、グループリスク・コンプライアンス委員会が、当社グループの倫理・コンプライアンスに係る重要事項の審議および基本方針の決定をおこなっています。具体的にはグループ方針の策定、グループ会社のコンプライアンス推進状況の報告に加え、違反行為の防止対策、違反行為が発生した場合のその調査と改善措置の是正等について、審議の上、取締役会に確認・報告をしています。このことにより、取締役会が倫理・コンプライアンスの取り組みを決定、進捗状況を管理する執行機関となり、当社グループの倫理・コンプライアンスに責任を持つ機関となります。この推進体制が適切に機能し、運営されているかについては、内部監査室がチェック、指摘をする役割を担っています。
当社グループの内部監査は、グループ内のすべての部門・業務を対象に、各本部の業務特性に応じた監査テーマを掲げて、少なくとも年1回以上の頻度で実施しております。
倫理・コンプライアンスについては、2022年にグループ内のすべての部門・業務に対して、「倫理遵法」に関わる項目を各2回ずつ監査を実施しました。
2023年の内部監査からは、倫理法令遵守マネジメント・システム規格(ECS2000v1.2)を適用して、全部門を対象に当該規格の要求事項に対する適合性および 各業務プロセスの有効性 ならびに 継続的な改善状況を検証しております。
当該規格は、合計67項目の要求事項で構成され、全体枠組みは以下となっております。
計画: 倫理法令遵守の基本方針を策定し、それを具体化するための実施計画を立案し、関連法令等を特定し、内部規程やマニュアルを整備すること
実施: 運用の役割分担を決め、それに従って教育/啓蒙や運用管理、文書管理、緊急事態対応を展開すること
監査: 倫理方針が理解され、役割分担に沿った運用が実施され、報告/相談および是正/予防の体制が機能しているか検証すること
見直し: 経営層が、監査結果を踏まえ、改善点を整理し見直しを実施すること
2023年の内部監査では、指摘事項1項目と観察事項1項目が検出されましたが、いづれも適切な是正処置が取られております。
また、当社グループは、お客様、投資家、社会等のステークホルダーに対して不利益をもたらす法令違反行為や不正行為の早期発見と是正、再発防止等を目的として、社外専門会社を窓口とする「すかいらーくグループ内部通報窓口」を設置し、国内の当社グループ全役職員とその家族、退職者および取引先からの内部通報を受け付けています。受け付けた内部通報は、通報者の秘密に配慮しながら、直接、社外役員や常勤監査等委員に共有されるほか、定期的に取締役会に運用状況の報告をする等社内規程に従った運用を行っています。
海外の関係会社においても、各社で内部通報窓口を設置し、運用を行っており、当社も報告を受けて監督しています。
また制度の内容と連絡先の周知のため、従業員研修の中での制度説明や、社員用業務スマホへの連絡先の掲載、各事務所・店舗へのポスター掲示を行っています。
さらに、行動規範に対して違反した場合は、社員の就業を保障し、業務遂行上の秩序を保持するため、就業規則に従い、賞罰委員会の承認を得たうえで懲戒処分など厳密な制裁を行います。
3.贈収賄防止方針の策定・公表
当社グループの事業展開は、日本国内のみならず海外のグループ会社も含めたグローバルベースのものとなっております。
世界各国における贈収賄および公正競争関連に対する法令は、益々厳格化されております。国内外の社会倫理・法令を順守し、腐敗行為(贈収賄、マネーロンダリング、反競争行為、不適切な利益相反など)をはじめとした、あらゆる不適切な行為を防止し、公平・公正な取引を行うため、グループ全体として贈収賄防止に向けた姿勢を一層明確にすることを目的として、新たに「贈収賄防止方針」を制定・公表しております。
本方針の具体的な内容については、「贈収賄防止方針」をご参照下さい。
4.政治や行政との関係について
社外との交流に関しては、公正な業務運営の実現と公私のけじめをつけるため、判断基準や遵守事項等を社内規程に定めています。
政治や行政との関係についても、同規程において、政治献金や寄付・寄贈に関する法令、社内規程を遵守し、許容された範囲を超える寄付や献金などは行わず、健全で透明な関係を保つことを規定しています。
5.倫理・コンプライアンス基準に関する研修プログラム
倫理・コンプライアンス基準に関して、当社グループの全従業員(パートタイム従業員を含む)を対象とした包括的な研修を実施しております。
倫理・コンプライアンス基準に関する研修プログラムの例として、全従業員が、入社時に研修を行っているほか、 J2、J3、マネジャーなどの昇格・昇給時に研修会を実施の上、その研修会内容を昇格試験問題にも出題しております。
また、オンデマンド研修として、従業員自身が学びたい時に学べるよう、研修機会を設けております。
さらに、毎月発行する社内報において、定期的に最新の同情報を掲載しているほか、グループリスク・コンプライアンス委員会で決定した、同取り組みについては、店舗通達で全従業員へ周知しております。
このように、全従業員に対して、定期的かつ包括的に研修を実施することにより、個々の知識補完を含め、当社グループの倫理・コンプライアンスの取り組みの強化を推進しております。
6.倫理的なマーケティングと広告
当社グループでは、マーケティング・広告について、「お客様志向自主宣言」内で以下のように定めております。
- (1)法令等を遵守し、公正かつお客様目線で分かりやすい、マーケティング、広告、販促、表示をおこないます。
- (2)食の安全・安心にかかわる情報の充実に継続的に取り組んでいきます。
- (3)食品、飲料に関する適切なマーケティング、広告、販促、表示をおこないます。
- (4)未成年、運転者の飲酒防止等適正飲酒の考え方に基づくマーケティング、広告、販促、表示をおこないます。
以上のような方針に基づき、子どもへ提供する商品やサービスのマーケティング・広告においては特に注意を払うとともに、お客さまがその内容を容易に理解できるように配慮したマーケティング・広告を行います。
情報や広告などでの訴求は、公正で正確な表示を厳守しており、法令等で定められた虚偽・誇大広告(実際と異なる表現や誇張した表現)の禁止を遵守しています。
また、当社の環境や社会的な取り組みや、競合他社への言及についても誇張せずに伝えるなど、お客さまに誤解を与えることがないようにしています。