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リスクマネジメント

事業等のリスク

すかいらーくグループの事業内容、経営成績および財政状態等に関する事項のうち、投資者の投資判断に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクは、主として以下のものがあります。なお、下記の文中にある将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。下記事項は当社グループが事業を継続する上で、予想されるリスクを具体的に提示したものであり、これらに限定するものではありません。

株主・投資家情報(IR)「事業等のリスク」

エマージングリスク

外部環境の変化により将来すかいらーくグループの事業に大きな影響を与える可能性のある重要な長期的 (3 ~ 5 年以上) な新たなリスクを次のとおりエマージングリスクとし、グループサステナビリティ委員会を中心とした推進体制に基づき、定期的にモニタリングするとともに、適切な対応を迅速に講じることができる体制の構築と、その対策について適宜審議・レビューしています。

水リスク 人口増加と気候変動による水不足は、当社グループの事業継続を脅かす深刻な問題です。特に、主要な原料の調達コスト上昇、ブランドイメージの低下、そして規制強化による投資制限は、当社グループにとって直接的な影響として挙げられます。原料の収穫量減少はコストを押し上げ、競争力を弱めます。また、取引先の環境問題によるブランドイメージの損失は、消費者離れや投資家の不安に繋がりかねません。さらに、水使用制限や排水規制の強化は、生産活動の制限やコスト増大をもたらし、新規投資の機会を奪う可能性があり、当社グループのビジネスの持続性に影響を及ぼすエマージングリスクの1つと認識しております。
これらのリスクへの対策として、2030年に取水量を10%削減、2050年に20%削減(2018年比)を設定し、店舗への節水型器具の導入や全従業員一丸となった節水活動、社内報で節水に関する記事を掲載し、従業員の意識啓発を行っております。取引先へはCSRガイドラインをもとにしたCSR調査をもとにした指導に取り組んでいます。
森林関連リスク 国際的には、森林の違法伐採が重要な課題と認識され、関係法令や規制の強化が進められています。その中で、森林保護に伴う食材の調達難やコストの増加、また誤って違法伐採の木材を取り扱った場合は、ブランドイメージが低下する可能性があり、当社グループのビジネスの持続性に影響を及ぼすエマージングリスクの1つと認識しております。リスク発生の回避・軽減に向けて、持続可能な森林からの木材調達を推進するため、マテリアリティKPIにFSC/PEFC認証品比率を設定し、切り替えるなどの取り組みを進めています。
大気、土壌汚染リスク 大気・土壌汚染による法規制強化は、当社のレストラン事業の持続可能性を脅かす深刻なリスクです。例えば、主要食材の生産地における汚染問題により、特定の食材の調達が困難になれば、メニュー構成の変更を余儀なくされ、顧客満足度の低下やブランドイメージの損失に繋がります。代替食材の調達コストの上昇は、利益率低下を招き、サプライチェーン全体の信頼性低下により、新規取引先の開拓が困難になる可能性も考えられます。さらに、主要取引先の工場が操業停止となった場合、安定的な食材供給が途絶え、売上減少に直結するだけでなく、経営の安定性をも揺るがす事態に発展する可能性もあるため、当社グループのビジネスの持続性に影響を及ぼすエマージングリスクの1つと認識しております。これらのリスクへの対策として、適切な排水や法令に則った有害物質の管理を行い、汚染防止に努めているとともに、取取引先へはCSRガイドラインをもとにしたCSR調査をもとにした指導に取り組んでいます。

リスクマネジメント体制

基本的な考え方

企業価値の保全を目的として「グループリスク管理規程」を制定し、リスクへの対応プロセスを定めています。リスク管理にあたっては、多様なリスクを俯瞰し、対処すべきリスクを特定したうえで、その顕在化を予防しています。また、リスクが実際に発生した場合には、迅速かつ的確に対応することにより被害を最小限にくい止めるとともに、対応結果の評価を行い、再発防止がなされていることを確認したうえで完了宣言をします。

事業遂行に関わる重要なリスクと対応

食品事故の発生

細菌やウイルスによる食中毒だけでなく、異物混入、食物アレルギーによる食品事故や誤表記が発生しないように、食材の調達から加工・流通・調理・提供に至るすべての工程で予見されるさまざまなリスクに対して、品質・衛生管理・法令順守に関する基準を設け、徹底した管理を行うことを基本方針としています。

対策1. セントラルキッチンにおける従業員の手洗いと体調管理の徹底

社内で検証した最も効果的な手洗いをルール化し、徹底することにより、手に付いたウイルスや細菌が施設に持ち込まれないようにしています。手洗いは24時間監視を行い、徹底されるように指導をしています。

対策2. 品質管理グループによる衛生指導と定期的な社内細菌検査

安全な商品が提供できるようISO22000の管理手法を基盤に工程設計を行い、各工程の運用状況を確認します。自社セントラルキッチン内にある8カ所の衛生検査室で原材料からセントラルキッチンでの加工、店舗の管理状況を抜き打ちでモニタリングし指導を行います。

対策3. ノロウイルスの予防と拡大防止の徹底

多くの方が利用するトイレやキッチンは毎日定期的に消毒を実施しています。また従業員が体調不良の場合は、ノロウイルス検査を会社費用で実施し高感度検査で陰性が確認できた場合のみ出勤可能としています。

労務関連

雇用形態が多様化した現代では、従業員を取り巻く環境も大きく変化しており、長期にわたって優秀な人財を雇用し続けるためには、継続的な労働条件の適正化が欠かせません。すかいらーくは、すべての従業員が健康で生き生きと働けるように、労務管理体制の強化や職場環境の整備などの働き方改革を進めています。

対策1. 労務管理体制強化への取り組み

労務管理体制の強化策として、各労務会議には経営トップが出席し、状況の把握および改善の徹底を行っています。また、労働組合からの定期的なレビューや改善提案を反映させて実行していく仕組みを構築しています。
各階層別の研修を継続的に実施して、従業員のスキルアップと満足度の向上を図ることで、定着率および労務環境の改善につなげています。

対策2. ワーク・ライフ・バランスの充実に向けた休日取得の取り組み

ワーク・ライフ・バランスの充実を図る目的で、年間休日数を108日から117日に増やしました。あわせて、半期に一度の5連休取得を2日増やして7連休とし、年次有給休暇の計画的な取得と併せて推進しています。また、働き方改革の一環として、2020年1月に全店で24時間営業の廃止、同年7月には原則23時30分閉店として深夜営業時間を短縮しました。安定して長く働くことのできる職場づくりを目指しています。

リスクマネジメント体制

グループ全体のリスクマネジメントを統括する組織として、取締役会監督のもと、代表取締役社長を委員長、代表取締役会長および全執行役員を委員とする「グループリスク・コンプライアンス委員会」を設置しています。同委員会では、さまざまなリスクを一元的に洗い出し、リスクの影響度合いなどを勘案して対処すべきリスク31種類を特定しています(2024年3月時点)。また、対処すべきリスクごとに主管部門を定め、適切な予防・対応措置を講じています。なお、リスクの影響度合いは、環境変化に応じて常に変動するため、年に1度見直しを行っています。
2023年はグループリスク・コンプライアンス委員会を計6回開催(ほか書面実施10回)し、グループ内で発生した緊急事態に関するレビューを行いました。委員会での審議内容は、社外役員へも情報共有されており、リスクマネジメント体制の透明性確保に努めています。また、社外役員を同委員会のアドバイザリーとしており、社外の視点での指摘やアドバイスを受ける体制としています。なお、リスクマネジメントのプロセスについては、内部監査室がその適正性をチェックしています。

対処すべきリスクのなかでも、自然災害、感染症、食品事故などの重大な事案については、会社の総力を挙げて取り組むべき問題として、「グループ緊急事態対応規程」内の「緊急事態ガイドライン」で定義しています。そのうえで、緊急事態の通報内容が速やかに経営陣および社内関連部門に共有されるよう、「緊急事態連絡ルート」「経営陣への報告ルール」等を設定し、具体的な報告基準や手順の社内周知を徹底しています。
また、社外役員への情報共有に関するルールを定め、重要なリスク案件及び緊急事態案件とその対応状況について、情報提供の充実を図っています。また、「グループ事業継続計画規程」を策定し、緊急事態における当社グループの対応体制と初動対応の詳細ならびに業務の優先順位を明確にしています。

グループ事業継続計画規程の5方針

  1. 人命最優先に行動する
  2. 二次災害を防ぐ
  3. 営業、商品、生産、購買、事業インフラを所管する各部門が密接に協力し「五位一体」となって地域社会・官公庁と連携して行動する
  4. 緊急事態の性質に応じて権限移譲する
  5. 緊急事態解除後は対応を総括し再発防止をする

これまでにも、自然災害や感染症発症時には、グループ事業継続計画規程に基づき、対策本部を設置し、すべての情報を対策本部に集中し、対策本部にて適時適切な方針決定を行い、全店舗への情報発信を行うことで、迅速かつ適切な緊急事態対応を行っています。

内部通報制度

当社グループでは、お客様、投資家、社会等のステークホルダーに対して不利益をもたらす法令違反行為や不正行為の早期発見と是正、再発防止等を目的として、社外専門会社を窓口とする「すかいらーくグループ内部通報窓口」を設置し、国内の当社グループ全役職員および取引先からの内部通報を受け付けています。受け付けた内部通報は、直接、社外役員や常勤監査等委員に共有されるほか、定期的に取締役に運用状況の報告および役職員に開示する等社内規程に従った運用を行っています。

お取引先様専用の通報・相談窓口について

すかいらーくグループではコンプライアンス推進の取り組みとして、お取引先様とも透明・公平なお取引を行うために通報・相談窓口を設置しています。当社グループとの組織的または個人的な法令違反、疑問やご意見等をお取引先様よりお知らせいただき、問題の改善を図っています。

通報・相談内容

通報・相談の対象者

当社グループとお取引のある全てのお取引先様で、役員、社員、パートタイマー、派遣社員、元従業員の方

守秘義務の約束

受付窓口は第三者機関である「ダイヤル・サービス株式会社」に設置されています。通報者・ご相談のプライバシーを厳守し、第三者に開示、漏えいすることはありません。

通報・相談の方法

お取引先様からの通報・相談は電話で受け付けています。

受付時間 平日:12時00分~21時00分
土曜・日曜・祝日:9時00分~17時00分 ※12月29日~1月4日を除く
お取引様専用 電話番号 TEL:0120-330-280
  • ※ 弊社のお取引様専用の電話番号です。
    お客様からのお問い合わせは、お客様相談室:0120-125-807(9時00分~18時00分)にお願い申し上げます。

不利益な取扱いの禁止

通報・相談者がこの通報・相談窓口を利用することによる不利益な取り扱いを関係会社から受けることはありません。

新型コロナウイルス感染症対策

代表取締役会長を委員長とする対策本部を設置し、お客様と従業員の安全のためにできることはすべて行うとの方針のもと、国、地方自治体の定める基準を超える感染防止対策を実施し、食のインフラとしての店舗営業を継続しました。自治体の要請には全面的に協力し、グループ全体で、新型コロナウイルス感染症の収束に最優先で取り組んでおります。
これまでに計30回を超える対策本部会議及び分科会を開催し、お客様、従業員の感染予防、感染時の対応、健康管理、労務管理等に関する意思決定を迅速かつ詳細に行っています。
また、刻一刻と状況が変化し様々な情報が発信される状況において、対策本部に情報が集まるよう情報収集ルートを明確化し、常時、代表取締役会長をはじめとする経営層に情報共有するとともに社外役員に対しても情報共有を行っています。