方針・考え方
すかいらーくグループは、事業を通じて社会的責任を果たすべく、購買管理規程を設け、法令を遵守することはもとより、安全で高品質な食材購買の推進、社会的課題への対応を取り組んでいます。
また、「グループサステナビリティ委員会」を随時開催し、責任ある調達に関する方針や目標、施策の策定などを継続的に実施しております。
サプライヤーの選定においては、財務的な信頼性、品質の安定性のみならず、サプライヤーの従業員管理(労働安全衛生確保等)、人権配慮(児童労働、
強制労働、差別、ハラスメント、結社の自由、団体交渉、長時間労働等)、環境への配慮(エネルギー、気候変動、環境汚染防止、廃棄物管理、水資源、生物多様性、その他環境問題、食品ロス、
資源利用等)、倫理コンプライアンス(汚職防止、利益相反、反競争的行為)、その他の反社会的行為の状況など、ESG基準を組み込むことにより、社会的責任を果たしているサプライヤーを優先して選定しています。
またサプライヤースタッフに対して、当社環境方針に関する情報提供や当社とのコミュニケーション、トレーニング等への理解と協力を求め、共に企業活動と社会・環境の共存共栄を目指します。
現在調達先は世界40カ国におよびますが、各地の法律・習慣・現状で判断するのではなく、該当する日本国法に照らして著しい乖離があるか否かで判断しています。問題のある場合は取引を開始しない、という厳格なポリシーを実行することで責任ある調達に努めています。
1.サプライヤー選定について
新規サプライヤー選定時には、環境問題、社会的課題のリスクアセスメントを目的として、当社「持続可能な調達管理細則」の定めに従って、取引開始前に全てのサプライヤーを対象に以下のデューデリジェンスを実施しています。
デューデリジェンスプロセス
①CSR同意書
取引開始前に当社の調達ガイドラインへの同意を求めるプロセス
②CSR自己チェック
サプライヤーがCSR要件を理解し、自己評価を行っていただくことで理解度を把握するプロセス
③CSRチェック
バイヤーが直接工場を訪問し、サプライヤーと協働して現状評価を行い、その結果を改善活動に活かすプロセス
対象範囲
2.サプライヤーのモニタリング・監査について
- 国内外、取引規模に拘らず、全サプライヤーへのモニタリング・監査は定期的に実施しており(原則2年1回)、そのモニタリング・監査を通じて、環境問題や社会問題におけるリスクの高いサプライヤーを特定し、フィードバックを通じて、全サプライヤーへ情報共有、改善指導などのサポートを実施しています。
- モニタリング・監査の実施状況や内容については、取締役会監督のもと、代表取締役社長を責任者である委員長、代表取締役会長及び全執行役員、グループ会社社長が委員として構成される「グループサステナビリティ委員会」で、四半期ごとに報告を行い、推進を図っております。
- 2022年度より、従来より実施している、食品または製品の品質・安全性に対するモニタリングに加え、当社『調達方針』『贈収賄防止方針』をもとに、人権、労働慣行、公正な企業活動などの社会問題に関すること、また『環境方針』をもとに環境への取り組みに対する基本姿勢について、モニタリング・監査・研修指導を実施しています。
- サプライヤーとは、年1回以上面談を実施し、環境課題や社会的課題について、『CSRガイドライン』をもとにコミュニケーション、指導に努めております。
- 全てのサプライヤーの製造工場は、食品安全に関するプロセスが意図したとおりに運用されているか、取引開始時のみならず定期的にバイヤーが訪問し、確認・評価・指導を実施しています。また、その結果は文書化して保管され、サプライヤーとも共有し、改善活動に繋げていただいています。
- 各サプライヤー毎の取引金額の増減・食品衛生検査の成績については、財務部門、品質管理部門と情報共有の上 定量的な確認を実施しています。
- 食品衛生上の検査のみならず「労働衛生・環境保全」に関する確認要件も含め 監査・評価を現地実地確認の上、実施しています。
- サプライヤーの従業員管理・人権配慮・公害対策の他、反社会的行為の状況については バイヤーが可能な限りの情報収集を実施しています。
- 海外サプライヤーの場合は、現地の「法律・習慣・現状」のみで判断せず、当該事項の日本国内法令、習慣等に照らした「評価・判断」を本部所管部内管理者へ報告確認し「評価」を実施しています。
- 日常的な情報収集及び定期工場チェックの実施により既存サプライヤーについての社会問題リスクの「再評価」を図るとともに、各サプライヤーの業界情報についても留意し、法人としての「信頼性」を評価しています。
- 当社が求める『環境方針』『調達方針』『贈収賄防止方針』に対して、2023年度も2022年度に続き、サプライヤーの不適合はありませんでした。不適合、重大な違反があった場合には、事実を確認の上、サプライヤーに、改善対応を求めます。必要な場合は、 当社または当社が指定する専門家が現地を訪問し、調査を行います。また、必要な期間を置いても、その改善対応がなされない場合は、取引を見直すことも含めて対応いたします。
※重要なサプライヤー数:ESGに影響を与える、またはビジネス上の関連性が高い、リスクがあると特定されたサプライヤー数
重要サプライヤー
ESGに影響を与える、またはビジネス上の関連性が高い、リスクがあると特定されたサプライヤー。
項目
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定義
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主要な商品を扱っているサプライヤー |
年間10億円以上の商品、取扱取引先で5億円以上の調達先 |
代替不可能なサプライヤー |
1品目あたり5億円以上の購買額、且つPBアイテム |
取引量が多いサプライヤー |
取引量の多い取引先(取引金額10億円以上) |
サステナビリティリスクが低いサプライヤー |
CSRチェック95点以上。地域・セクター・商品カテゴリーなどに特定したリスクがなく、環境・社会・ガバナンスのESGの取り組みが優れている調達先 |
特定プロセス
3.当社バイヤーへの教育・研修
- 全バイヤーに対して、年2回の合同研修会を開催し、法令改正・社会情勢の変化に即した知識の取得・更新、社内品質管理部門の指導を通じて、教育を実施しています。
- また、既存バイヤーの品質管理担当者が国内、海外のサプライヤーを訪問する際の「同行研修」を通して実地での確認も実施しています。
- バイヤー着任時には、所定のカリキュラムに基づき工場・衛生センター研修を含む「基礎知識取得」を実施しています。
- 調達部門の社員は「法令・規制」及び業界の「協定・規範」を遵守し 所轄省庁・業界・各サプライヤーからの情報収集に努め 品質管理部門を始め社内関連部署とも共有を図り 管理方法の設定・改訂を実施しています。
- またサプライヤーとの契約は「公平・合理的・透明」な取引関係に基づき 社会通念上「優越的地位」にあることを十分に認識し「不公正」な取引関係を結んでいるとの誤解を生じさせないよう努めています。
- 環境問題、社会問題に対する当社バイヤーへの研修は、年2回以上実施しております。
4.イニシアチブへの賛同、外部団体との連携
- 当社は、国内外のイニシアチブ、コンソーシアムなどから、先進的な取り組みに関する情報を積極的に収集するとともに、それぞれ定期的、不定期的に行われるセミナーや研究会に参加し、意見交換など積極的な情報発信を行っております。サプライヤーや他業種企業と連携した活動を通じて、グループのさらなる環境負荷の低減、社会課題の解決に向けて取り組み、持続可能な社会の実現に向けて一層推進してまいります。
(環境負荷低減、社会課題の取り組み)
- 持続可能な調達の国際規格『ISO20400』
食材購買グループが所管する18分類の食材調達業務 その他「審査登録適合内容(詳細)」による
- 国連グローバル・コンパクト、グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン サプライチェーン分科会会員
- 一般社団法人日本フードサービス協会食材調達・開発等委員会へ参画しています。