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デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進

成長ロードマップ図 (第1フェーズ~第3フェーズ)


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中長期成長ロードマップに基づく主な取り組み

顧客満足度と全社の生産性を高めるDX

執行役員
マーケティング本部マネージングディレクター
平野 曉

あらゆる業務領域にDXを取り入れていくことで、全社の生産性を飛躍的に向上させ、外食体験や働き方の改革を目指しています。

当社は2022年、全社の生産性向上と顧客満足度を高めるDXを強力に推進いたしました。約2,100店舗に3,000台のロボット導入を完了させたほか、全店舗のPOSレジを刷新、また約800店舗にセルフレジを導入するなど、他には類をみないスピードと規模感で徹底したオペレーション改革を実行いたしました。DXの推進=人によるサービスがなくなるわけではありません。当社の運営するテーブルサービスレストラン業態は、ファストフードやファストカジュアル業態に比べ、お客様との接点が多い特徴があります。効率化が図れる業務は徹底してDXを活用し、付加価値を生むサービスについては従業員が心を込めてサービスする、その両輪でテーブルサービスレストランの新しい価値を提案していきます。
また少子高齢化が進む中、将来的な採用難を見据えた店舗生産性の向上に、DXの活用は欠かせません。多様な人財が多様な働き方のできる社会を目指し、DXを本格的に推進してまいります。

実績

DXは導入して終わりではない。顧客目線の改善がすべて

  • ロボット3,000台導入の立役者となった17名のインストラクター
    2021年末より、ガストやしゃぶ葉を中心に、フロアサービスロボットの導入を進め、2022年内にグループで3,000台の導入を完了しました。人とロボットの協働によるサービスは、お子様をはじめあらゆる世代の方の外食体験価値を高め、お客様アンケ―トでは、9割の方から支持をいただく結果となりました。その他、ランチピークイムの片付け完了時間の短縮や従業員の歩行数が半減するなど、生産性向上に確かな成果が表れています。
    当社は、3,000台のロボットをただ導入したわけではありません。店舗オペレーションを熟知し、ロボットの性能を学んだ17名のインストラクターが全国の店舗を回り、1店ずつお客様にとって最適な導線や店内レイアウトの変更を行いながら、お客様の声や従業員の声を聞き続け、ロボット運用における改善を繰り返してきました。成功事例は全国の店舗で横展開し、あらゆるシーンでお客様の満足度を高める使い方を研究しています。その組織力がDXを強力に推進することに成功した要因です。
  • 人財採用にも寄与
    多様な人財の採用と定着にもつながっています。ロボットとともに働きたい、との理由で応募いただくことが増えているほか、シニアスタッフにおいては、作業が軽量化され負担軽減につながるなど定着率の向上にも寄与しています。業務の難易度軽減により外国人スタッフの活躍推進につながるなど、多様な人財が働きやすい職場を実現しています。
  • 全店舗におけるPOSレジの刷新、約800店にセルフレジの導入
    入店~退店まで快適な店舗体験をしていただくために、2022年内にレジの大幅刷新を実行しました。有人のPOSレジを入れ替え、より会計業務がスムーズになるほか、ピークタイムに会計が集中する約800店舗にセルフレジを導入し、お会計の待ちストレスを解消しています。
    現在、ご案内システムおよび客席でのキャッシュレス決済の導入準備を進めており、2023年末〜2024年にかけて検証を進めていきます。お食事の貴重な時間をできる限り豊かに過ごしていただくために、利便性向上につながる取り組みを積極的に推進していきます。

デジタルマーケティングの進化

すかいらーくグループの複数業態で展開する「すかいらーくアプリ」は、ご利用ユーザー数1,000万人を超え、収集されるデータ量は1日約1,000万レコードに達します。天候や気温に連動したクーポンの精度向上、個別店舗への対策、来店利用履歴や行動履歴の活用による売上拡大施策を進めるほか、グループ内での相互送客に大きく寄与しています。新業態オープンの際も、すかいらーくアプリで既存のお客様へのコミュニケーションを積極的に行い、認知拡大を図っています。
機能拡張においては、2021年よりテイクアウトや宅配基盤を統合し、通販事業においては2022年3月よりアプリからの注文が可能となりました。60歳以上を対象としたプラチナパスポートやブランド合同クーポンブックのデジタル版の搭載などアプリ内であらゆるサービスを享受できるワンストップサービスを構築しており、来店頻度の向上とロイヤルカスタマー化を図っています。
また、公式Twit ter・Facebook・Instagram・YouTube等を活用し、お客様との接点を増やしたファンづくりにも力を入れています。

全部署にDX専任担当を配置し、本部業務の効率化を推進

2022年1月、「全社DX推進プロジェクト」を発足しました。全部署にDX専任担当を配置し、各部門が抱える非効率な業務を抽出し抜本的な業務改革を推進していくとともに、将来的なDX人財の育成を行っています。2023年度も引き続き、タスクフォースメンバーへのトレーニングと部門横断の施策の共有により、徹底した生産性の向上を図っていきます。

本部 主な施策 効果(2023発現分含む)
営業 ◎データ集約/還元の自動化・リアルタイム化
◎本部系管理表の自動化
生産性効果(▲2名相当分)
営業部長の集約業務の大幅削減
購買 ◎在庫/出荷実績のリアルタイム共有
◎内製品レシピ検索機能導入
生産性効果(▲2名相当分)
財務 ◎経費精算業務の大幅改善
◎予算・管理会計業務の高度化
生産性効果(年▲1,000時間以上)
その他経費▲16百万円

今後の取り組み

様々なビジネスモデルに対応できる拡張性のあるシステム基盤とセキュリティ教育の強化

すかいらーくの事業の多様化に対応可能となるマーチャンダイジングシステムの刷新を図るとともに、システムインフラのクラウド化・オープン化とセキュリティの強化を促進していきます。
また近年のサイバーセキュリティの脅威に備え、全社のシステム基盤をより堅牢化する対策を行うとともに、従業員のセキュリティ研修を強化しています。
DX推進は、アナログの域を超えた価値を創造します。当社は、ITデジタルの活用による企業競争力を高めていきます。