既存店の成長においては、マーケットの変化に合わせた業態転換や店舗リモデルを推進します。また、メニュー戦略では、幅広い利用動機を獲得し、外食体験価値を高めるメニュー企画やプロモーションを展開し、客数と客単価の向上を追求していきます。インフレ環境において、価値に見合ったプライシングを実行するため、商品とサービス品質向上の取り組みも継続し、既存店売上成長は、年平均3~4%を目指します(客数年平均+1%、客単価年平均+2~3%)
業態転換
すかいらーくグループでは、単に1店の収益改善を狙う業態転換ではなく、エリアに配置するグループ店舗におよぼす影響も算出し、エリア収益の最大化を図る業態転換に強みを持っています。2023年は、41店舗の業態転換を実施し、約+46%の売上効果がありました。2024年第1四半期の業態転換は、27店舗実施し+38.6%の売上効果に加えて、カニバリ解消効果は+10.5%となり、転換店舗と近隣店舗のエリア全体の収益増にも貢献しています。
転換による売上効果とカニバリ解消効果
年 |
売上効果 |
カニバリ解消効果 |
店舗数 |
2023年 |
+46.0% |
+6.6% |
41 |
2024年 |
+38.6% |
+10.5% |
27 |
転業態別の転換店実績(2023年)
転換ブランド |
転換前売上比 |
店舗数 |
とんから亭 |
130.5% |
10 |
むさしの森珈琲 |
172.5% |
6 |
しゃぶ葉 |
183.5% |
5 |
La Ohana |
161.4% |
5 |
ガスト |
162.3% |
1 |
新規開発業態(桃菜、八郎そば) |
136.6% |
14 |
出店エリアのカニバリ解消事例
地方ガストブランドの間引き(青森・八戸)
一方のガストをしゃぶ葉に業態変換することで、もう片方のガストとのカニバリ解消による収益改善を狙う
店舗改装(リモデル)の推進
すかいらーくグループでは、各ブランドで時代のニーズに合わせたデザインの改修や店舗視認性を高めた外観デザイン/店舗看板や、誘導看板を設置しています。
2023年は、ガストやバーミヤンを中心に104店舗の店舗改装を実施し、+4.6%の売上効果がありました。2024年の第1四半期は13店舗の改装により、+5.9%の客数効果があり、年間70~80店舗で年間約3億円の売上効果を想定しています。今後3か年においても年平均300店の改装による客数増を計画しています。
インフレ環境に適応したプライシング
近年原材料、光熱費、物流費が高騰する環境下において、すかいらーくグループではサービスや商品価値に見合う適正な価格帯の設定や、お客様のニーズに合わせたメニュー構成の提案により、継続的な客単価の向上を実現してします。
全国に展開するガストにおいては、地域により異なる賃料相場や物価を勘案し、4つの地域別価格を導入しています。(「超都心」「都市部」「地方都市A」「地方都市B」)。多様化する消費者のライフスタイルや消費動向に合わせて、より細分化された手法が不可欠であり、全国一律ではないきめ細かい価格戦略にて、収益改善を図っています。
メニューにおいては、 2023年秋のグランドメニュー改定でガストやバーミヤン、ジョナサンにおいて、お手頃価格の小皿料理を拡充しました。コストパフォーマンスの良さと選べる楽しさを提供することで、皿数が増え、アルコール喫食者数も増加するなど、客単価上昇の効果がありました。
話題性のあるマーケティング
2024年1月より実施したもつ鍋の名店「やまや」監修のガスト初のもつ鍋フェアや、台湾現地企業とのコラボによるバーミヤン台湾展、人気アニメ「スパイファミリー」とのコラボやブランド横断のプロモーション企画など、外食体験価値を高めるメニュー・販促を積極的に展開することで、お客様の
来店を誘引。こうした話題性のあるマーケティング手法を駆使し、客数と客単価上昇を図ってまいります